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成田国際空港(株)

アセス準備書まとまる/成田国際空港/C滑走路新設等機能強化へ

2018/05/01 日刊建設タイムズ

 成田国際空港(NAA)は、延長3500mのC滑走路新設などによる機能強化に向け、環境影響評価準備書を取りまとめた。4月24日には県知事、成田市長など関連自治体の首長宛てに送付しており、縦覧・意見書受付期間などを経て、環境影響評価書を作成する予定。機能強化が図られれば、年間発着回数は2016年度の約24万6000回から最大で50万回となる想定。これに伴い、空港区域は約1000haの拡張が必要となる。

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 成田国際空港は4000mのA滑走路と2500mのB滑走路が運用されているが、航空需要の増加傾向への対応が求められている。そこで、NAA、国、県、空港周辺9市町が集う四者協議会は15年度から機能強化について検討を進め、3月には合意を形成、確認書を締結した。

 機能強化はB滑走路を1000m延長するとともに、C滑走路を新設し、発着回数の増加を図る計画となっている。

 滑走路の整備に伴い、現況約1400haの空港区域を2400ha程度まで拡張する必要がある。また、環境影響評価にあたっては、関連工事などの区域約200haも対象に含んでいる。

 整備工事においては、土砂掘削・盛土による造成、滑走路・誘導路など舗装、雨水排水路布設、調整池設置などを行う。加えて、空港整備後は周辺道路などの整備を実施する。

 工事用資材など運搬車両は、主に国道51号・295号・296号を走行する仮定。また、掘削土量と盛土量が同程度となるよう計画しているため、原則として土砂の搬入・搬出は行わないものと想定している。

 そのほか、年間50万回の発着に対応するためには、関連施設用地でのターミナルビルや貨物地区など拡張が必要となる見込み。

 準備書では、17年1月に公表した環境影響評価方法書に関して寄せられた意見に対する見解を示すとともに、事業実施による環境への影響について調査・予測・評価の結果と環境保全措置などを整理している。

 総合的な評価として、主に『本事業は、環境への影響をできる限り小さくし、環境の保全に配慮したものとなっている』との考えが示されている。

 準備書等は本社ビル情報コーナーのほか、県庁環境生活部環境政策課、成田市役所環境部環境計画課などにおいて5月28日まで縦覧が可能。また、NAAの機能強化ホームページからダウンロードできる。意見書の提出はFAX、メールフォーム、郵送で6月11日まで受け付けている。

 準備書に関する説明会は5月、成田市、横芝光町、山武市、芝山町、多古町、茨城県稲敷市、同県河内町で各1回開催する。

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