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県企業局が耐震化に46億円、老朽化更新に35億円/本年度の事業計画

2018/05/16 日本工業経済新聞(茨城版)

 県企業局は、2018年度の事業計画をまとめた。老朽化施設の計画的な改築・更新、耐震化対策を推進するため、霞ヶ浦浄水場Ⅱ期改築など浄水場の改築・更新に35億3200万円を投じる。送水管布設工事などの管路耐震化には46億900万円を設定し、約15㎞の整備を進める。災害発生に備えた危機管理対策の強化としては、緊急連絡管の整備(約3㎞)などに7億4700万円を盛り込んでいる。

 当初予算の収益的支出に前年度比10・1%減の300億3960万2000円、資本的支出には前年度比19・5%減の213億306万8000円を配分して、各事業を展開する。

 水道用水供給事業では、37市町村に対し1日最大57万2075立方mの施設能力で給水する。年間見込み給水量は1億3760万立方m。

 工業用水道事業は228社254事業所に対し、1日最大113万2680立方mの施設能力で給水する。年間見込み給水量は3億2349万立方m。

 本年度の重点取り組み方針には①計画的かつ効率的な事業展開により、経営基盤の強化を図る②老朽化施設の計画的な改築・更新、耐震化対策を推進する③災害の発生に備えた危機管理対策の強化を図る④環境保全への取り組みをさらに進め、環境に配慮した事業運営を図る⑤工業団地の環境整備と立地企業のフォローアップを図る―の5項目を設定。

 計画的かつ効率的な事業展開による経営基盤の強化では、阿見浄水場~水海道浄水場の連絡管整備などを進める。事業期間は19年度まで。18年度事業費は3億4200万円。

 このほか、新しい浄水処理技術の導入推進、浄水場の集約化の検討などを進める。

 老朽化施設の計画的な改築・更新については、霞ヶ浦浄水場でⅡ期改築として天日乾燥床機械設備工事などを進めており、19年度に完了する見通し。本年度事業費は18億8700万円。

 阿見・関城・水戸・那珂川の浄水場では中央監視制御設備更新工事を実施中。このうち関城・水戸・那珂川は本年度、阿見は19年度の完了を見込む。

 管路耐震化事業は12年度から着手。24年度までに323㎞(上水158㎞、工水165㎞)を更新する。全体事業費は641億円で、事業費ベースにおける17年度末の進捗率は37%(見込)。17年度は8・3㎞(上水5・5㎞、工水2・8㎞)の整備を実施した。

 災害の発生に備えた危機管理対策の強化としては、水道施設(建物など)の耐震化および異なる広域水道事業間を連結する緊急連絡管の整備を進める。事業期間14~23年度。事業費は72億円。17年度は取水・送水ポンプ棟耐震補強工事や脱水機棟耐震補強詳細設計などを実施。17年度末の進捗率は11%(見込)。

 環境に配慮した事業運営では、浄水場外灯および中央監視室照明にLEDを導入し、24年までに導入率100%を目指す。

 また、10月に本県で開催される世界湖沼会議において、環境負荷軽減に寄与する新しい浄水処理技術の発信に取り組む。

 工業団地の環境整備などについては、地域振興事業の資本的支出の土地造成費に3億9960万円を設定。未造成地の整備に向けた検討を進めるほか、団地内公共施設の適切な維持管理などを推進する。

 なお、江戸崎工業団地(稲敷市江戸崎みらい)では5・8haが未造成区画となっている。


 【表=18年度の主な事業計画】

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