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2延伸計画を再検証/簡易公募型プロポで委託/千葉市 都市モノレール

2018/05/23 日刊建設タイムズ

 千葉市交通政策課は22日、千葉都市モノレール延伸計画再検証業務に係る簡易公募型プロポーザルの手続きを開始した。モノレール1号線、2号線の各延伸計画の再検証を行うため、各種分析を行い費用対効果等を明らかにする。6月1日まで参加表明を受け付け、5者程度を選定し技術提案書の提出を要請する。技術提案書の提出期限は同18日とし、同20日のヒアリングを経て契約予定者を特定する。

 参加資格要件は、同市入札参加資格者名簿の土木関係建設コンサルタント業務(都市計画及び地方計画部門)に登録されている者。同種業務(鉄軌道またはLRT、BRT等の新交通システムにおける調査研究業務)または類似業務(都道府県及び市町村におけるパーソントリップ調査分析業務、または地方公共交通網形成計画策定業務)について、1998年度以降に1件以上の実績を有すること等。

 千葉都市モノレールにおける、①モノレール1号線を青葉病院前まで延伸する計画②モノレール2号線をJR稲毛駅、JR稲毛海岸駅方面に分岐し延伸する計画の二つの延伸計画について、計画策定当時から社会情勢等が変化しているため、再検証する。履行期間は、契約締結日の翌日から19年2月28日まで。参考業務規模は約2000万円(消費税を含む)。

 業務内容は、①既存資料による現状把握(上位計画、モノレール計画等、その他)②将来交通需要予測(前提条件の把握、沿線施設利用者数等の整理、予測手法の検討及び選定、延伸予測への対応、需要予測)③事業費の検討④収支採算性の検討⑤整備効果の検討(費用便益分析、整備効果の整理)⑥報告書の作成。

 将来交通需要調査では、延伸2区間についてパーソントリップ調査結果等を活用し、モノレール駅ごとに発着地ゾーンを特定。平均的な駅勢圏を設定し、将来利用者等の推計を行うとともに、現実的な予測開業年次を定め、利用者数等の需要予測を行う。

 事業費の検討では、これまでの想定費用について時点修正を行い改めて事業費を算出。事業費は「インフラ部」と「インフラ外部」に分けられるが、インフラ外部は「千葉市分」と「千葉都市モノレール株式会社分」とを区分し算出する。 収支採算性に関しては、将来交通需要から運賃収入、最新の単価を用いた運営コスト、見直しを行った事業費に基づき試算。その際、現有資産評価情報を入手し、トータルコストの考え方についても十分考慮し、中長期的な視点で試算する。

 整備効果の検討では、費用便益分析に加えて、モノレール延伸計画で期待される道路混雑緩和等の予想できる効果や、特に既存バス路線などへの影響について検討を行う。

 千葉都市モノレールは現在、1号線(千葉みなと~県庁前間、6駅)3・2kmと2号線(千葉~千城台間、13駅)12・0kmで営業している。99年3月に現営業区間の中では最後の区間となる千葉~県庁前が開業し、翌00年には延伸区間となる県庁前~中央博物館・市立病院前間3・6km(末広ルート)の軌道運輸事業特許を取得し、01年に事業認可を取得した。

 しかし、市の財政やモノレール会社の経営悪化もあり、06年の会社再建にあわせて同ルートの事業認可を取り消すとともに、08年に軌道運輸事業を廃止。これを受けて市は、09年に延伸事業計画の凍結を決めた。

 そうした中で、12年5月に策定した同市総合交通計画(計画期間12~21年度)では、凍結している延伸区間について、市の財政状況が好転し事業化の検討が可能になった場合には、事業評価を行い、延伸の是非、ルートや整備手法を含めて総合的かつ客観的に判断するとしている。

ルート参考図

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