県立塩沢商工高校機械システム科の3年生が9日、橋梁の点検作業を体験した。北陸地方整備局長岡国道事務所がインフラの老朽化対策を担う人材育成の目的で実施。15人の生徒が井田川橋の損傷状況の確認に目を凝らした。
この授業は同事務所が2016年度から継続的に支援しているもの。橋梁のメンテナンスサイクルを学び、実習での打音検査で5年前の点検時との損傷状況を比較することをポイントに行われた。
生徒たちは学校での座学の後、塩沢地内を流れる魚野川の支川国道17号井田川橋に移動。完成から53年経過した橋梁の橋台部分に足を踏み入れ、2班に分かれてハンマーによるコンクリートの浮きの有無、ひび割れの測定を行った。
実習には橋梁点検業務受注者の開発技建・開発技術コンサルタント設計JVも参加。脚立を固定しながら近接して観察する際の注意点、写真撮影の方法などをアドバイスした。
ハンマーを手にした生徒たちは「ここは音が全然違う」「音の高さに差がある」など、感じた手応えを話し合いながら真剣に取り組んでいた。
管理第二課の伊藤勝美保全対策官は「全国73万橋の7~8割が市町村道だが、国も点検を支援する方向に向かっている。興味を持ってもらい、地元の建設業に就いて欲しい」と語った。
【写真=打音検査のポイントを学んだ】