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本年度は東山梨・貢川を全面改修 県営住宅の長寿命化計画

2018/08/10 山梨建設新聞

 県営住宅の長寿命化計画で本年度は東山梨(山梨市)、貢川(甲府市)両団地に着工する。来年度以降も建て替えや全面改修を控えており設計などの準備を進める。現計画は2020年度で終了するため県では19~20年度にかけて新たな計画を策定する見通しだ。

 同計画では軽微な修繕から全面改修、建て替えまで毎年数カ所ずつ実施。本年度は東山梨団地の3号棟と貢川の36号棟を全面改修する。

 東山梨については、すでに入札公告され建築は今月27日、電気・機械設備は同24日に入札が行われる。RC造5階建てで延床面積は1954㎡(30戸)。工事内容は間取りの変更や外装の改修、流しやバス・トイレといった水回りの全面改修など。工期は来年9月まで。同団地にアスベストは使われていない。エレベーターを新設するため、その動線となる共用の廊下を建物に外付けする。県住宅対策室によると、このエレベーターの設置方法は低コストでできることから国がモデルケースとして紹介しているという。

 貢川団地については先月住民の引っ越しが終わり、アスベスト除去工事をスギタ建工(甲府市)が11月までに完了させる。本体も11月ごろの着工を目指しており今秋にも入札を行う見通しだ。

 来年度以降の工事に向けた設計は本年度、常永団地と玉川団地の分を委託する。常永団地は来年度から全面改修工事に入る予定で佐野設計(笛吹市)が設計を請け負った。玉川団地は建て替える計画。今秋にも設計を委託し、来年度にかけて作成する。着工は20年度になる見込みだ。

 現計画は2009年度に策定後、11年度に見直したもの。20年度で完了するため県は来年度から新計画をつくり始める。残る建て替えが必要な団地は貢川と玉川。両団地は現計画に続き建て替え箇所として盛り込まれる。その他の建て替えについてはすでに完了しているがエレベーターが増設できるだけの敷地がなく全面改修で対応できない団地については、次期計画で建て替えまたは統廃合する可能性がある。

 4月1日現在、県営団地は92団地7781戸ある。このうち昭和30~50年代に建てられたものは更新時期を迎えており、当面は年数箇所ずつ全面改修が続く見通しだ。全面改修が終わった後も修繕は必要なため「対策はエンドレスに続くことになる」(県住宅対策室)。

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