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茨城県水戸市

内原橋上駅舎のデザイン/大屋根や木質調材採用し/風土・文化と調和

2018/09/12 日本工業経済新聞(茨城版)

 JR東日本と水戸市が計画しているJR内原駅の橋上駅舎のデザインコンセプトについて、高橋靖市長は市議会代表質問(10日)の答弁で「『まちの風土や文化と調和する、あたたかみのある駅』をコンセプトとした。大きな屋根、明るく開放的な空間を生み出す天井、部分的に木質調の材料を採り入れるなど、駅舎全体がまちと調和し、まちを象徴する建物となるよう計画している」と説明した。今後については「JRと実施設計に係る協定を早期に締結し、2021年度の供用開始を目指して事業を推進していく」と述べた。


 安藏栄議員の質問に答えた。安藏議員は、内原の歴史や文化、地元の意向などを踏まえ、駅舎のデザインコンセプト、北側自由通路の屋根の設置、エスカレーターの整備、ホーム階段の形状などについて質した。

 市では内原駅周辺の整備で、内原駅橋上駅舎などの協定を17年4月にJRと協定を締結。基本設計の策定は完了している。さらに、地域説明会の開催や内原駅南口周辺地区整備事務所の設置などを行い、駅南口周辺地区整備事業を進めている。

 橋上駅舎のデザインコンセプトについて、高橋市長は「農業との結び付きが深い地域であり、駅北の土地区画整理事業により創出された都市的機能との融合を目指し、『まちの風土や文化と調和する、あたたかみのある駅』をコンセプトとした」と説明。具体的には大きな屋根、明るく開放的な空間を生み出す天井、部分的に木質調の材料を採り入れるなど、駅舎全体がまちと調和し、まちを象徴する建物となるよう計画している。

 駅の機能強化については「雨天時のバリアフリー対策として北側自由通路に屋根を設置する。橋上駅舎からホームへのアクセスではエレベーターを上り、下り両方のホームに設置する。ホーム階段も、将来の駅利用者数を考慮して約2mの幅で検討している」と述べた。

 一方でエスカレーターについては「一日の乗降客数が整備基準をかなり下回っていることから、設置は難しい」とした。

 財源確保については、自ら石井啓一国土交通大臣に要望を行ったことに触れ「大臣から直接、支援に向けて大変前向きな回答をいただいた」と紹介。

 現在は都市・地域交通戦略推進事業や街なみ環境整備事業などを組み合わせ、国から事業費の約50%の支援を受けて事業を推進している。今後も「国にしっかり要望し、財源の確保に努めていく」と答弁した。

     ◇

 市では内原駅南口周辺地区整備事業として、にぎわいと交流を創出する拠点機能として橋上駅舎や自由通路、南口交通広場などの整備を推進する。

 駅南北自由通路、駅北側自由通路、南口交通広場、自転車駐車場3カ所は先日の市の都市計画審議会で承認された。9月下旬に計画決定告示を予定している。

 都市計画決定の対象施設は①駅南口交通広場(約3800㎡)②駅南北自由通路(L90m、幅員4・0m)③駅北側自由通路(L60m、W2・5m)④駅自転車駐車場(約1500㎡)。自転車駐車場は3カ所で、北口西側約380㎡、北口東側約210㎡、南口約900㎡。

 全体計画の区域面積は約2・5ha。

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