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山梨県甲斐市

甲斐市が20年度めどに新洪水ハザードマップ

2018/09/22 山梨建設新聞

 甲斐市は2020年度をめどに新たな洪水ハザードマップを作成する。近年豪雨災害が各地で発生していることから被害が想定される区域を見直し、地域住民への防災啓発活動などに役立てる。9月定例市議会で赤澤厚議員の質問に答えた。また県と共にため池の緊急点検を実施したことも同議会に報告した。

 赤澤議員は7月の西日本豪雨災害について「とても対岸の火事とは思えない」と危機感を示した。市内にも水害が起きる可能性がある地域が数多くあることから災害対策を強化する必要があると訴えた。これに対し市は今後、同市に関わる釜無川や塩川、荒川、貢川の決壊を想定したハザードマップを作成。水害警戒区域を広く市民に周知していく考えを示した。

 13年度に実施した、ため池一斉点検では、釜の口ため池(上福沢地区)以外は全て「早急な対策が必要」との結果が出た。泉ため池(菖蒲沢地区)については県が昨年度からの繰り越し事業として改修工事を実施。森山組(甲府市)が施工にあたっている。また龍地大溜池(堅町地区)と後沢ため池(牛句地区)についても本年度改修する予定で、龍地は中村建設(甲斐市)が工事を請け負った。後沢は19日に入札を行っている。

 また西日本豪雨災害を踏まえ県と同市はこのほど、市内ため池の緊急点検を実施。堤体や洪水ばけ、取水施設、法面について異常がないか調べた。その結果、新田ため池(新田地区)についてはクラックが見付かったため年度内に修繕を行う。久保入ため池(大垈地区)は法面に陥没箇所が見付かったが今後その他の箇所を改修する計画があるため、それと併せて補修する。大久保ため池(大久保地区)は内部法面に浸食が確認されたが機能に影響はないため今後経過観察を行う。小川ため池(上福沢地区)は周辺で倒木があったため年度内に処理する。釜ノ口ため池については止水板に軽微なクラックが確認されたが漏水には影響がないため経過観察。このほか三島(駒沢地区)、伊豆の宮(大垈地区)、龍地、後沢については異常は見られなかった。

 赤澤議員は西日本豪雨では、ため池の決壊により大きな被害が出たことから「本市もため池が多く、その下には必ず集落がある。住民には危険があることを十分に周知してほしい」と述べた。

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