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工事等は該当なしか/金抜き設計書の不適切処理判明/コピペで価格露出

2018/10/05 長野建設新聞

 県が発注した「その他の委託業務」で、金抜き設計書から価格が判読できる事案が判明した。技術管理室は「現在調査中だが、判明しているのは今のところ1件。今後、入札手続き中の案件で同様の事案が確認された場合は入札を中止する。調査結果は近日中に公表する」としている。建設工事や建設工事に係る委託業務に該当案件はないもようだ。

 問題が判明したのは北信建設事務所が本年2月27日に一般競争入札を公告した「平成30年度県単砂防管理事業及び水防管理事業に伴う保守点検業務」。公表した金抜き設計書のPDFファイルで、本来は削除すべき金額を背景と同じ白色に変えて処理。画面上は見えないが、文字情報をコピーして文書作成ソフトに貼り付けると見える状態だった。入札に参加したのは1者で、2回の入札は予定価格を上回り、随意契約により予定価格と同額の338万円(税抜き)で決定した。

 技術管理室は「本件を含め、既に契約済みの案件で判明した場合、再入札は行わない。入札手続き中の案件で同様の事案が確認された場合は入札を中止する。原因分析を進め、再発防止を徹底する」としている。

 建設工事や建設工事に係る委託業務については、独自の設計積算システムを用いて作成しているため、該当する案件はないもようだ。

 なお、今回の事案が判明する発端となった千曲市の発注工事における同様の問題では、市が2日、これまでに不適切処理が判明した件数は「平成28年度千曲市立戸倉上山田中学校改築事業屋内運動場・武道場建築主体工事」(2017年2月6日開札)など8件で、落札額の合計は9億3704万円に上ることを公表している。

 さらに3日には県下水道公社でも同様の事案が2件判明。1件は業務が完了しているが、もう1件の「平成30年度脱臭用活性炭入替業務委託(大町市、松川村)」は10月2日に開札を行ったところ。公社は「入札を取り止め、再度入札する方針。受託先の市村に説明した上で決定する」としている。

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