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茨城県常陸太田市

東部土地区画整理事業/業務代行予定者と基本協定/22年度末に一部オープン目指す

2018/12/28 日本工業経済新聞(茨城版)

 (仮称)常陸太田市東部土地区画整理事業の基本協定締結式が27日、市役所の全員協議会室で執り行われた。事業協力者の清水建設㈱、保留地購入企業の㈱カインズ、㈱フォレストモール、㈱ヨークベニマル、設計を担当する大和測量㈱が業務代行予定者として組合設立準備会(曽根秀嗣会長)と協定を締結。新たな市街地形成へ市と強固な協力体制を築き、事業を進めていく。2019年度の上半期には土地区画整理組合を設立し、22年度末には「まちびらき」として一部区画のオープンを目指す。

 市は買い物環境の向上や雇用創出、若者世代の定住を図るなどの目的で土地区画整理事業によるまちづくりを推進してきた。15年12月に市東部東地区土地区画整理事業組合設立準備会(準備会)を発足。事業手法は組合施行の土地区画整理事業(業務代行方式)を予定。

 17年8月には清水建設が事業協力者に決定。ことし10月には保留地(A・B街区)約8haの購入企業として、カインズ、フォレストモール、ヨークベニマルの3社を選定した。

 事業地は市役所北部に位置する約26haの農地で、宅地化して新たな市街地を形成する。一街区4~5haの大街区を形成し、さまざまな業種の商業施設を集約して配置・展開が可能だ。

 アクセスは沿線の国道349号バイパスが全線4車線化へ向けて整備を進めているところであり、常磐自動車道日立南太田ICのアクセスも良好。今後は市と日立市をつなぐ市道の整備も計画されていることから、利便性のさらなる向上が期待される。

 事業地北側の換地(C・D街区)については現在利用する企業の募集を進めているところ。現在はトヨタカローラ新茨城㈱が出店を希望しており、その他数社とも協議を進めている。

 そのほかB街区に立地しているさくら保育園では園の拡張を希望しているとのこと。

 今後のスケジュールとしては19年5月に都市計画決定、19年度上半期に組合設立と業務代行者の決定。22年度末にA・B街区の「まちびらき」を目指す。

 締結式ではまず真中剛建設部長が基本協定書と事業概要の内容を説明。基本協定書では事業推進に必要な基本的な事項として企業の役割や担当する業務、保留地売買の特約などを定めた。他の事例と異なる特色は、企業の役割に市との情報共有や、事業地内における市民が望む店舗の誘致支援などを定めたこと。市との協力体制を強化し、団結して事業推進を目指す。

 あいさつでは大久保太一市長が「少子化と人口減少が進む本市で若者の定住促進を図るには、生活環境の整備や働く場所の確保が必須。しかし生活物資を購入する店舗が市内には非常に少なく、市外に依存しているのが現状。区画整理事業により商業施設を誘致し、生活環境の向上や経済の好循環につなげたい」と期待を寄せた。

 続いて曽根組合設立準備会長は市執行部や業務代行予定者の協力に謝意を述べ、「これから組合の設立などを実施していく。高いハードルをいくつも越えなければならないが、できる限り地権者に寄り添って進めていきたい」と決意を表明。

 その後、清水建設の清水邦英関東支店副支店長、カインズの峯岸信之取締役常務執行役員開発本部長、フォレストモールの今西弘康常務取締役SC営業本部長、ヨークベニマルの橋本修一開発室常務執行役開発室長もそれぞれあいさつに立った。

A街区イメージパース.jpg 常陸太田市東部地区 まちづくりのイメージ図.jpg 関係者が集まって記念撮影.JPG

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