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千葉県南房総市

バンズシティを選定/里山生かし宿泊、飲食等/旧平群小学校等跡利活用/南房総市

2019/04/22 日刊建設タイムズ

 南房総市は、同市平久里中の旧平群小学校幼稚園保育所跡地利活用事業の公募型プロポーザルで、提案があった6者からバンズシティ(東京都新宿区西新宿2-4-1)を契約予定者に選定した。既存の建物を改修して、宿泊や飲食等のサービスを提供することなどが提案された。今後、実現に向けて市と詳細な内容を検討する。

 不動産業を展開するバンズシティは昨年、同市千倉に「みんなで作って食べるを楽しむ」をコンセプトに、海辺で食を楽しめるグランピング(魅惑的なキャンプ)施設「チクラ・ウミ・ベースキャンプ」をオープンしている。

 公募の対象となった旧平群小学校等の跡地は、千倉とは対照的に山の中にあり、そのかたちから「房総のマッターホルン」と称され、ハイキングコースにもなっている伊予ヶ岳ふもとの登山口に位置している。

 豊かな里山の風景をとどめ、登山者やハイカーも多く訪れる場所であることから、千倉の施設との連携も視野に、小学校棟や保育所棟を中心に宿泊施設や飲食施設、温浴施設等として利活用を図ることで、地域の振興に結びつけたい考え。

 施設利活用の条件は、①地域振興の向上につながる提案であること②本契約を締結した日から3年以内に事業実施が可能なこと③提案した事業を10年以上継続して実施すること④土地、建物、遊具、樹木等施設全体の活用提案を基本とするが、部分的な利活用も可能。その場合、不要な施設は市が解体する⑤市が行う建物の改修範囲は、幼稚園及び保育所の躯体(柱、梁、壁、屋根等)、基礎、敷地工作物、地盤において経年劣化等により耐久性を損なう恐れのある部分や、子ども用便所を大人用にするなど、通常施設を利用するのに必要な改修とし、事業運営に必要な改修は事業者負担とする⑥既存の合併浄化槽は、富山平群体育館と共用であるため、既存の処理能力(115人槽)を合理的に按分し、その範囲で収まる計画とする。これを越える処理能力が必要な場合は、事業者が新たな合併浄化槽を設置すること⑦事業者が施設の管理運営を行うこと⑧施設を自ら取り壊し、または改築して利活用することも可とする⑨貸与を受けた場合で敷地内に建物を新築、増築しようとするときは市と協議すること⑩その他、提案内容により関係機関と協議が必要。

 建物の概要は、小学校校舎(1968年築)RC造2階建て、延べ1230㎡。同特別教室棟(53年築)木造平屋建て、延べ207㎡。トイレ(87年築)RC造平屋建て、延べ49㎡。宿直室(59年築)木造平屋建て、延べ53㎡。給食室(64年築)S造平屋建て、延べ83㎡。幼稚園園舎(80年築)RC造平屋建て、延べ229㎡。同(74年築)木造平屋建て、延べ189㎡。保育所園舎(80年築)RC造平屋建て、延べ450・25㎡。

 また、土地の概要は、保育園園舎・園庭部分1507・00㎡、小学校校舎・校庭部分8273・00㎡、幼稚園園舎・園庭部分1868・00㎡、小学校北側山林3030・00㎡、給食室部分206・82㎡。

 用途地域は都市計画区域外で、上水道は市水道局、下水道なし(合併処理浄化槽115人槽)、都市ガスなし。主な交通アクセスは、JR内房線岩井駅から約8km、東関東自動車道鋸南富山インターチェンジから車で約10分(約8km)。

旧小学校棟 旧保育所棟

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