記事

事業者
千葉県千葉市

INA新建築に随契で/千葉公園体育館実施設計/千葉市 20~22年度で建設

2019/05/14 日刊建設タイムズ

 千葉市は、(仮称)千葉公園体育館整備実施設計を、昨年度のプロポーザルで基本設計を担当したINA新建築研究所(東京都文京区白山3-1-8)へ随意契約で委託することを決めた。今月10日に合計6回見積もりを行い、最終的な見積もり額は8250万円(消費税を除く)、消費税を含めた契約額は9075万円だった。本年度の実施設計に続いて2020~22年度で建設工事を行い、22年度中の供用開始を目指す。

 施設の老朽化に伴い、千葉公園再整備事業の一環として、公園に隣接する千葉競輪場跡地の一部(中央区弁天4-1-1)において建て替える。設計コンセプトは、①千葉公園のスポーツ活動・交流の拠点施設②さまざまなスポーツニーズに対応する合理的な施設づくり③周辺環境に調和する景観づくり。

 新しい体育館の規模は、基本設計段階でRC一部S造3階建て、建築面積4922㎡、延べ8203㎡。既存の千葉公園体育館(延べ約3700㎡)、千葉市武道館(延べ約1391㎡)、千葉市中央コミュニティセンター体育施設(延べ約3115㎡※プールを除く)の3施設を集約する。

 敷地の高低差(7m)を利用して、敷地の低い西側の1階部分には武道場(1、2)、弓道・アーチェリー場、トレーニングルーム、多目的室等を集約して配置。また、2階部分にはメイン・サブアリーナを近接配置し、一般利用から市民大会利用までフレキシブルに対応。3階は観覧席(1052席※車いす用6席を含む)となる。

 メインアリーナ(天井高さ12・5m)は、バスケットボール及びバレーボールで各2面、バドミントンで10面、卓球で12面、ハンドボール及びフットサルで各1面、また、サブアリーナ(天井高さ10・0m)は、バスケットボール及びバレーボールで各1面、バドミントンで4面、卓球で6面、フットサルで1面を確保できる広さ。メインアリーナに面して観覧席へつながるアリーナ階段を設けるほか、キッズルームもメイン・サブアリーナと同フロアに設置する。

 また、モノレール千葉公園駅や、隣接する(仮称)千葉公園ドーム・ドーム広場からのアプローチに対応する駐車場側出入口を2階に、千葉公園・JR千葉駅からのアプローチに対応する公園側出入口を1階に設け、各方面からアプローチしやすい計画とする。

 新しい体育館の外観は、「ハスの葉に浮かぶ雫」をイメージし、隣接して建設される千葉ドーム(屋内競輪場)との調和を考えドーム型の形状を採用。また、第1種高度地区に該当するため、建物高さを20m以下(20・0m、16・5m)に抑えた。

 このように、武道場・弓道場等とメイン・サブアリーナを重層化することで建物がコンパクトになり、300台(車いす利用者用10台を含む)の駐車場を確保することが可能になったほか、高さを抑えることで周辺の住宅地への圧迫感も軽減できるとしている。

 さらに環境配慮計画では、アリーナは床輻射空調の採用により、大空間の空調を効率よく行うとともに、競技に支障のある採光面を設けない計画とし、外部負荷を低減。アリーナ屋根は、ひと続きのドーム形状でつなぎ目のないシームレスな計画とすることで、屋根からの漏水の可能性を低減。

 一方で、メイン・サブアリーナを除く主要なスポーツ室やフォーラムには積極的に自然採光・通風を取り入れ、省エネルギーで快適な環境を創出するほか、外壁は高断熱化、ガラスは断熱ガラスを用い、断熱性を確保。発電効率の良いトレーニングルーム屋上には容量20kwの太陽光パネルを設置し、施設全体の照明消費電力の15%(災害時設定照度)と同程度を賄うなど、災害時にも対応。

新体育館完成イメージ

紙媒体での情報収集をご希望の方は
建設新聞を御覧ください。

建設新聞はこちら