記事

事業者
茨城県

エスカレーター設置や桜梅橋延伸検討/偕楽園の魅力向上で/有識者が懇談会

2019/05/16 日本工業経済新聞(茨城版)

 第14回偕楽園公園魅力向上懇談会(座長=小栁武和茨城大学名誉教授)が10日、水戸市の県三の丸庁舎共用会議室で行われた。県から四阿復元やエスカレーター設置、桜梅橋延伸などのイメージが示され、偕楽園の魅力向上について話し合った。

 県は偕楽園本園について、施設のさらなる魅力向上を図り、通年で来園者が訪れる茨城の周遊観光拠点として県民・市民に親しみやすい公園の実現を目指し、有料化に向けた検討を進めている。

 前回の懇談会では、委員のほとんどが有料化に肯定的で、県内外を問わず一律に有料とすべきとの意見も出された。

 バリアフリー化やトイレの洋式化、耐震化、駐車場の確保のほか、「修景を壊さないイメージで飲食する場を増やしてほしい」「バックヤードを体験してもらえるような整備や取り組みが必要」などの意見もあった。

 今回示されたイメージは、これまでの議論の中で出された意見をまとめたもの。それによると、本園では見晴広場に四阿を復元するとともに、竹林に休憩所を設置することで、歴史的空間を磨き上げる。

 本園の利用者を拡張部へ誘導する工夫については、現状のアクセスのさらなる向上を検討。具体的な例示として、東門付近への参道エスカレーターの設置、偕楽橋から拡張部方面へのエスカレーターの設置のほか、桜梅橋の拡張部方面への延伸を検討している。

 また、拡張部への集客拠点(カフェなど)の誘致などにも取り組む。

 有料化について県は、ことし11月1日を施行日とする案で調整中。梅まつり期間中は全員有料とし、期間外は県外利用者が有料、県内利用者は無料を想定している。料金は300円で、好文亭は200円に据え置き。弘道館は200円から400円に改定する。

 なお、偕楽園の年間維持管理費は年間約4億円(本園約2億円、拡張部約2億円)で、このうち約7割が植栽管理、約2割が修繕・清掃・保守点検費、1割程度が人件費・通信費。年間来園者100万人中、約半分が梅まつり期間中に訪れている。


 【図=魅力向上イメージ】

記事資料

紙媒体での情報収集をご希望の方は
建設新聞を御覧ください。

建設新聞はこちら