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常永団地改修に着手 県営住宅リニューアル

2019/06/26 山梨建設新聞

 県営住宅のリニューアルで県は本年度、常永団地2号館(昭和町)の全面改修を行う。躯体以外の内外装を全て新しくする内容。年内の本体着工を目指す。事業費は当初予算と6月補正予算案に計上した。このほか本年度は、来年度の着工を予定する貢川団地35号館改修の設計にも着手する予定だ。

 常永団地はショッピングセンター・イオンモール甲府昭和の南約800mに位置。全4棟あり1974年度に建設された。付近には県道甲府市川三郷線やJR身延線が走り、山梨大附属病院からも近い。隣接地には町営団地や同大職員宿舎もあるなど集合住宅が立ち並ぶ。

 本年度は4棟中1棟の全面改修を始める。他の3棟の改修時期は決まっていない。工事発注はこれまでと同様に建築・電気・機械の3分離。事業費の一部を計上している6月補正予算案が可決されれば今秋にも入札へと進める。工事の設計は佐野設計(笛吹市)が作成した。

 昨年度は東山梨(山梨市)、貢川(甲府市)両団地の全面改修に着手。貢川団地の建築は三井建設工業が2億6500万円、電気は大成電気が6220万円、機械はダイカン(いずれも甲府市)が5700万円でそれぞれ落札した。常永・2号棟も基本的な改修メニューは同様になる見込み。同棟はRC造5階建てで30戸が入居。現在の1660㎡について「スケルトン(躯体のみ残す)にして改修し、新たにエレベータを設置する」(県住宅対策室)。改修後はエレベーターの約80㎡が加わり1735㎡になる。

 エレベーターは建物外に共用の廊下を付けて後付けする。この手法は低コストでできることから国のモデルケースになっている。工期は12カ月。現在は全戸3LDKの間取りだが、さまざまな家族構成に対応できるよう1LDK6戸、2LDK18戸、3LDK6戸にする予定だ。

 本体工事に先立ちアスベストの除去も実施する。対象は24戸・910㎡。昨年貢川団地で実施した際には11月までの4カ月間の工期でスギタ建工(甲府市)が請け負っている。

 来年度の県営住宅の改修について同対策室は貢川団地35号館の全面改修に着手する意向を示した。同棟は現在工事を行っている36号館の隣の建物。工事の設計費を6月補正予算案に計上しており近く業務委託する見通し。

 かねて建て替え案が出ている玉川団地(甲斐市)については昨年度、新日本エンジニアリング(南アルプス市)に業務委託し地質調査を実施したが、施設規模が大きいこともあり具体的な建て替え時期は決まっていない。同対策室では本年度中に次期長寿命化計画(2021年度~)の策定に着手する方針で、その中に同団地の方向性を盛り込むことになりそうだ。


【写真=集合住宅が立ち並ぶ現場周辺】

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