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事業者国土交通省千葉国道事務所
見出し周辺交え検討加速/規格の高い道路ネットワーク/地方部では圏央道を推進  
掲載 2019年7月4日日刊建設タイムズ  
本文

 坂井康一 千葉国道事務所長インタビュー
 
 4月に千葉国道事務所長に就任した坂井康一氏は独占インタビューに応じ、都市部と地方部で期待される道路の役割が異なるとの考えから、都市部において国道357号湾岸千葉地区改良・蘇我地区などの渋滞対策に取り組むとともに、地方部で国道468号首都圏中央連絡自動車道(圏央道)による道路ネットワークの形成を推進すると話した。さらに、湾岸地域における『規格の高い道路ネットワーク』の計画の具体化に向け、千葉県湾岸地区道路検討会の下部組織にあたる幹事会を開き、周辺自治体の意見を聴取すると説明。各事業を進めるにあたっては、「地域の意見を聞き、実状を把握し、最も良い解決策を講じていきたい」と考えている。

 ――千葉県の印象はいかがですか。
 坂井 湾岸地域をはじめとする都市部と、房総地域などの地方部が共存していることから、千葉県は日本の縮図と言えます。道路に関しても、都市部と地方部で異なる役割が期待されています。

 ――就任にあたっての抱負・展望をお聞きします。
 坂井 湾岸地域では交通渋滞が課題となっており、道路交通機能を十分に果たせるよう、国道357号の湾岸千葉地区改良・蘇我地区と東京湾岸道路・千葉県区間などに取り組んでいます。また、地方部においては地域の道路ネットワーク形成のための圏央道整備を進めています。県内の経済発展を下支えできるよう、各地域の状況に応じた事業を推進していきたいと考えています。

 ――圏央道整備の進捗はいかがですか。
 坂井 未開通区間の大栄ジャンクション~松尾横芝インターチェンジの18・5kmについて、2024年度の供用開始を目標にしています。
 18年度には、財政投融資の活用による整備加速箇所として位置付けられました。
 用地取得率が約76%となっているほか、3月29日には土地収用法に基づく事業認定を国土交通大臣に申請しました。
 19年度は用地買収・調査設計などを推進します。
 順調に推移すれば20年度以降、地盤改良工事、盛土工事、ボックスカルバート工事などを経て、道路整備工事に着手することになります。

 ――湾岸千葉地区改良・蘇我地区について教えてください。
 坂井 関連して、これまでに千葉市中央区問屋町~同市美浜区真砂の5・6kmを対象とする湾岸千葉地区改良を進め、供用しました。
 同区間と連続する蘇我地区に関しては17年度に事業化しました。同市中央区塩田町~問屋町の5kmの6車線化に向けた測量や道路設計を進めています。

 ――東京湾岸道路・千葉県区間に関してお聞きします。
 坂井 湾岸千葉地区改良と連続する真砂~浦安市舞浜の21・3kmで、渋滞対策に取り組んでいます。
 19年度は、千葉国道事務所が担当する船橋市域の3・5kmにおいて道路設計、栄町地区改良工事、末広橋下部工事を実施します。

 ――これから動き出す事業を教えてください。
 坂井 湾岸地域における『規格の高い道路ネットワーク』の計画の具体化に向けた検討が進んでいます。
 湾岸地域では、大型車の通過交通や周辺開発に伴う交通需要の増加により、広範囲にわたって速度低下や渋滞損失が発生しています。
 そこで、千葉県湾岸地域渋滞ボトルネック検討ワーキンググループで、渋滞対策について検討を進めてきました。3月7日の第9回において、機能軸①(※図参照)に関する検討会を新たに設置した上で『規格の高い道路ネットワーク』の計画の具体化に向けた検討を進める方向性が確認され、同月28日には国・県・千葉市・東日本高速道路で構成する千葉県湾岸地区道路検討会の第1回が開催されました。
 検討にあたっては三番瀬再生計画との整合性の確保、千葉港港湾計画および周辺開発計画や環境等に配慮する必要があり、今後、周辺自治体の意見を聴取するための幹事会を開くことが決まっています。

 ――19年はi-Construction貫徹の年に位置付けられています。関連する取り組みになどをお聞きします。
 坂井 近年、情報通信技術が目覚ましく発展しています。これを最大限活用し、建設現場などにおける効率的で安全な施工に取り組んでいく必要があります。
 施工の効率化は、担い手不足に対しても効果的です。ICT活用工事は少ない人数で施工でき、若手技術者でも作業内容によってはベテラン並の精度が実現できると言われています。さらに、安全な場所から重機などを遠隔操作できれば、天候に影響されることなく労働環境の改善も期待できます。

 ――千葉県を支える地域の建設業に対してメッセージをお願いします。
 坂井 日本の建設業は高い水準の技術力を有しています。そういった方々がそれぞれの地域にいることを大変心強く感じています。
 インフラはつくるだけにとどまらず、日常の維持管理も必要なため、地域に根ざす担い手の存在が不可欠です。
 県内においては自然災害が多く発生します。災害発生初期の情報収集や早期対応などに関し、地域に拠点を有し、交通状況・地形・天候などを把握されている地元の建設業でなければできないことが多くあり、そういった面からも期待しています。
 普段の維持管理などを通じ、地元建設業の方々と情報交換を図り、いざというときにしっかり対応できるよう努めます。

 ――事業を進めるにあたって心掛けていることはありますか。
 坂井 地域の方々との対話や意見交換が必要です。いろいろな意見を聞き、実状を把握し、地域と一緒になって最も良い解決策を講じていければと思います。
 また、道路行政に限らず、物事を進めようとするとき、協議調整が必要となることは多くあります。その際には、相手の立場や求めていることを理解することが非常に大切だと思っています。
 その考え方は、在フィリピン日本国大使館二等書記官を務めていたときの経験が生きています。当時、ODA(政府開発援助)の窓口を担当していたのですが、政府間で付加価値税未還付問題が起きてしまいました。
 本来、日本の建設企業に対して還付されるはずの付加価値税が支払われなかったのです。しかし相手のことをよく理解してみると、悪気があるのではなく、財務省と国交省に相当する省庁の間で意思の疎通ができていないことが原因だとわかり、良い方向に進むこととなりました。
 この経験から、交渉事を前に進ませるためには自分の常識だけでなく、一歩立ち止まって相手の考え理解することが重要だと考えるようになりました。

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【略歴】
 さかい・こういち
 1998年3月、東京工業大学大学院理工学研究科修了。同年4月建設省(現・国土交通省)入省、中部地方建設局静岡国道工事事務所管理第二課配属。在フィリピン日本国大使館二等書記官、国土技術政策総合研究所高度情報化研究センター、東北地方整備局磐城国道事務所長、国立大学法人東京大学生産技術研究所次世代モビリティ研究センター准教授などを経て、4月から現職。埼玉県出身、47歳。趣味は園芸。「育っていくのを見ているのは楽しい」という。

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