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【建築BIM】将来像実現へ官民で活用環境整備を

2019/07/24 本社配信

 国土交通省は23日開催の第2回建築BIM推進会議において、建築BIM(=W)の将来像と工程表のたたき台を示した。また建築業界の官民が一体となって将来像を実現し、BIMの活用環境を整備するための基本的な戦略を提示、意見を交わした。

 建築BIMを活用した将来像では、▽いいものが(高品質・高精度な建築生産・維持管理の実現)▽無駄なく、速く(高効率なライフサイクルの実現)▽建物にも、データにも価値が(社会資産としての建築物の価値の拡大)―の3本柱で整理を行った。3次元モデルの形状と属性情報により空間を確認できるため、プロではない人でもイメージを共有できるようにするとともに、設計・施工の各工程の迅速化と維持管理の省力化の実現、ビッグデータ・AI(人工知能)の活用による建築物を起点とした新たな産業の創出などを目指す。

 工程表は、将来像で示した項目を実現する上で①BIMを使う②各主体が連携してBIMを使う③AI・IoTとの連携の3つの活用段階における施策効果の大きさを大・中・小で整理した。

 将来像実現の基本的な戦略では、官民が適切な役割分担の下で協調して進め、先行的な取り組みの後に一般化を図る考え。また建築業界の国際競争力強化のため、可能な限り国際標準・基準に沿って進めていく。建築業界に対しては、BIMの活用環境整備に向けて、BIMを用いた建築確認検査の実施、BIMによる積算の標準化、BIMデータの情報共有基盤の整備、人材育成、中小事業者の活用促進などの取り組みが必要とし、検討から試行、実装までの工程表と関係する団体などを例示している。

 同会議では本年度上半期中に将来像・工程表案をまとめる。下半期からは個別課題に対する部会を設置して、検討を始める見通しだ。


W=BIM

 コンピューター上に作成した、主に3次元の形状情報に加え、室等の名称・面積、材料・部材の仕様・性能、仕上げといった建物の属性情報を併せ持つ建物情報モデルを構築するシステム。建築分野でのBIM導入は、生産性向上に加えて品質確保にもつながることが期待されている。

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