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栃木県河内農業振興事務所

河内農業振興事務所、9地区に8.4億、県営事業概要、工事11件8~9月に発注、刈沼川圃整工2件、下旬

2019/08/06 日本工業経済新聞(栃木版)

 県河内農業振興事務所は、県営農業農村整備の今年度事業概要をまとめた。9地区に8億4720万円(調査地区、繰越含む)を投入。工事は11件で8~9月にすべて発注する方針。農地整備の刈沼川(宇都宮市)、用排水路整備の江川(上三川町)で着工し、刈沼川は圃整工2件の条件付き一般競争を今月下旬に公告。江川は水路工3件を今月下旬に指名通知する予定。鬼怒中央2(宇都宮市)はゲート塗装、古用水2(同)は水路工を発注。新規は古用水3で実施設計。調査は宇都宮市内の海道で農地整備の計画を樹立。城山地区では赤川沿いの水利施設の現況調査を実施する。

 刈沼川は氷室町の最下流部で圃整工5・6haを発注。施工面積は国道123号付近の第1工区が3・1ha、隣接北側の第2工区が2・5ha。総合評価落札方式で9月に開札する。

 刈沼川(氷室町、野高谷町、刈沼町)の全体面積は39・5ha。上流側は主要地方道宇都宮向田線の北側で南北に細長い区域。農地の整形・大区画化に加え、幹線用排水路の刈沼川の付け替えや自動転倒堰の設置を計画。事業期間は18年度から23年度、総事業費は約10億6000万円。

 今年度の事業費は1億7100万円。圃整工2件と施工に必要な変更実施設計を11月に委託する。来年度に予定する圃整工約7haの実施設計は7月に八汐コンサルタント(宇都宮市)に委託した。

 事業終盤の下田原北部(宇都宮市)は今年度1億円。整備が必要な区域内各地の水路工事を9日に開札する。今月は換地業務や確定測量を委託。来年度は水路付帯工事を予定している。

 農地整備ではこのほか上石那田(宇都宮市)で田川上流の圃整工3件を9日に開札。変更実施設計は11月に委託。田川沿いの圃整工は今年度に完了し、来年度は沢沿いの農地を施工する。

 江川は国道352号から下野市境までの延長1676mをブロック積み護岸水路に全面改修する。総事業費約3億5600万円、事業予定期間は20年度。

 今年度は1億5000万円。工事は最下流部の3件を発注。1件当たりの延長は約200m。更新水路は上幅5・7m、下幅4・5m、高さ1・2m。護岸部の勾配は1対0・5とする計画。

 古用水2は、上河内地域自治センター西側の最下流部と主要地方道藤原宇都宮線北側の2カ所を一括し、指名競争で発注する考え。劣化が進んでいる現水路の内側にコンクリートの打ち増しを行って機能を回復させる。水路の上幅は上流側が約3m、下流側が約2・5m。今年度の事業費は5720万円。8月下旬頃に指名通知する。

 鬼怒川の岡本頭首工を改修している鬼怒中央2は洪水吐ゲート2門と左岸の板戸樋管水門2門、右岸の下岡本樋管水門1門の塗装工事を一括発注。今年度事業費は3600万円。実施設計完了後の9月に指名通知する予定。

 また、水管理制御システムの更新工事を来年度に計画しており、実施設計の入札は5日に開札が行われ、日本水工コンサルタント(さいたま市)が落札した。

 新規の古用水3は上河内幼稚園北側の丘陵地を通る素掘り隧道を改修する。延長141・4mの水路トンネルを全面的な巻替工により再生する計画。総事業費は約1億5200万円。

 実施設計は5日に開札が行われ、日本工営(東京都)が落札した。来年度に用地を確定させて21年度に工事を実施することを検討中。実施設計で工法を固め、発注方法などを決定していく。

 調査地区の海道は、一般県道氏家宇都宮線西側の農地約63・4haを対象に計画を策定する。農地の整形・大区画化と用・排水路、道路を一体的に整備。区域外の御用川の改修も検討する。10億円を超える事業費が見込まれる。

 城山地区では赤川沿いの農地の水を安定的に確保するための調査を始める。区域は赤川ダムの下流から姿川までの延長約5㎞、83haの受益地が対象。

 一帯は城山地区圃場整備が行われたものの河川整備が完了していたため堤外水路が残り、水路に砂利が入り込むなど水管理に支障を来している。堰は上流から遠北堰、御仙寺堰、天王原堰、松堰、石堰、清波尾堰、大久保堰、金沢堰の8カ所が存在。基礎調査では区域内20カ所で流量を観測。取水形態を含めた水利用の現況を把握する。

 事務所では基礎的な調査期間に2~3年を見込み、改修方針を検討していく考え。今年度の基礎調査業務は第一測工(宇都宮市)が受託している。

 このほか事務所では赤川ダムの補修計画を来年度に樹立する方向で調整を進めている。補修内容は洪水吐きや操作室のひび割れ補修、取水施設の防塵スクリーン設置、油圧開閉装置の更新、取水塔の塗装などを予定している。

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