記事

事業者
栃木県那須農業振興事務所

那須農振、中田原の農地整備に着手、35.5ha、7.4億円 圃整工、来年度着工へ

2019/08/09 日本工業経済新聞(栃木版)

 県那須農業振興事務所は、農地整備事業の中田原地区(大田原市)に着手する。面積35・3ha。1haの区画を含む農地の整形・大区画化を実施するとともに、用水路、排水路、農道を一体的に整備。約3分の2の区域に客土を行い、生産性の高い農業基盤を創出する。事業期間は今年度から2024年度、総事業費は約7億3900万円。今年度は2500万円を充て、地区界確定や換地、実施設計の各業務を早期に委託する方針。圃整工事は来年度から実施する予定。

 地区は市街地東部の1級河川蛇尾川の左岸に広がる農地。南北にやや長い区域。中央を市道内環状南大通り線が横断し、北側では市道内環状北大通り線が縦貫する。

 農地は水田を中心とした利用。用水は1級河川熊川と蛇尾川に設置された堰から取水。排水先は蛇尾川。区画は不整形で狭く、用水路の多くは土水路。排水路もなく水管理に苦慮し、転作に支障を来している。

 農業用道路も狭く、生産性が低い農業条件となっているため、50㌃を標準区画とする農地整備事業を実施。転作にも対応できる生産条件を整える。

 計画事業量と工事費は整地工35・3ha(1億3600万円)、道路工4・5㎞(5700万円)、用水路工5・7㎞(9500万円)、排水路工5・4㎞(2億3500万円)、客土工23・4ha(1億900万円)。測量試験費は1億700万円を見込んでいる。

 整備後の区画は50㌃以上を約8割確保。約1割の区画は1haとする計画。

 用水路、排水路は3面張りの開水路で整備。水路の標準断面は用水路が幅300~600㎜×深さ300~600㎜。支線排水路が幅2000~2500㎜×深さ900~1500㎜、小排水路が幅400~1200㎜×深さ400~900㎜。龍尾用水沿いは農地を確保するために排水路を暗渠化。φ350㎜のポリエチレン管を延長288m、平均掘削深1100㎜で埋設する計画。

 農道は砂利舗装で幅員5mまたは4m。客土工の深さは60㎜とし、南側と蛇尾川沿いで実施する。生態系配慮施設は山側の排水路で魚道落差工や石積みワンド工の設置を見込んでいる。

 非農用地は1・6haを確保。市道内環状北大通り線から南に延びる道路整備を市が計画している。

紙媒体での情報収集をご希望の方は
建設新聞を御覧ください。

建設新聞はこちら