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山梨県甲斐市

フラワーパークアンドミュージアム整備で10月にも素案公表

2019/09/12 山梨建設新聞

 県緑化センター跡地に整備する「フラワーパークアンドミュージアム」について甲斐市は、10月にも事業者公募に向けた要求水準書の素案を公表する。広く意見を募り募集要項の作成に生かす。年内に要項を固め2020年1月公募開始を目指す。関連業者から成るグループやSPC(特別目的会社)など、参加事業者の形態については今後詰める。

 市は商業的な要素を含む今回の事業計画を作成するに当たり民間目線を重視。日本総合研究所(東京都品川区)とアドバイザリー契約を結ぶとともに開発事業にたけた識者を相談役に迎えた。実績豊富な開発業者や造園業者など複数の企業への聞き取り調査も入念に実施し、収益が見込め民間が参加しやすい事業計画を練った。

 参加企業の形態については意見が分かれており、まだ決めかねている状況。「SPCを立ち上げるには経費がかかるため、単体企業または(設計・施工・管理・運営を担う各業者で)グループを組んだ方がいいという考え方もある。市としてはSPCの方が事業の責任の所在が分かりやすいという面はある。事業評価をするにしてもSPC1社を評価した方がやりやすい。今後さらに事業者へのヒアリングを進める中で決めていきたい」(同幹部)。

 美術館と公園が計画の軸になるが、聞き取りを行った企業からは商業的なエリアについての提案もあったようだ。市は複数の事業者から要望があった、施設進入路にあたる県道付近の用地取得を進める方針を固め関連予算を9月補正予算案に計上。現状、果樹畑や駐車場がある場所で、取得すれば進入路の拡幅などが可能になる。

 この用地拡張について市幹部は「施設の視認性を向上させたい。現状では、施設(フラワーパークアンドミュージアム)があるのが分かりにくい。大型車が入ることを考えても進入路を広げる必要があるし、県道沿いに商業施設をつくることもできる」と話す。2017年度の市議会でも同様の内容を取り上げた経緯があり、市も用地取得の必要性を認識していた。

 事業全体の整備費は概算で40~42億円程度を見込む。市が合併特例債を活用し資金を用意した場合40億、民間資金を活用すると42億で、利子により2億の差が出る見込み。合併特例債を使った場合、市の持ち出しは3割程度になる。

 市は10月に事業者に求める条件などを記した要求水準書を公表。議会や市民らから広く意見を募り、内容を見直した上で、年明けに事業者の選定を始める。



【写真=果樹畑などがある敷地を取得予定】

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