記事

事業者
千葉県千葉市

短期的整備基本設計を/アクセス含め交通調査も/千葉市 加曽利貝塚整備

2019/09/13 日刊建設タイムズ

 千葉市は、特別史跡加曽利貝塚短期的整備基本設計をウッドサークル(東京都中央区日本橋人形町2-16-2)、交通影響調査をオリエンタルコンサルタンツ(千葉事務所・千葉市中央区新田町5-10)にそれぞれ委託して開始した。短期的整備基本設計の履行期限は2020年3月19日、交通影響調査の履行期限は同1月31日。短期的整備基本設計は、同貝塚グランドデザインで20年度までに整備すると位置づけた施設を対象に実施するもので、一部、来年度で工事を行う。

 グランドデザインでは、史跡指定地内の利便性の向上を図ることを第一の目標として、便益施設の整備や南貝塚の園路の改修、サインの再整備等を短期的整備に位置づけたほか、新博物館の建設と新博物館及び史跡指定地を結ぶルート、各エリアの整備を中・長期的整備に位置づけた。

 短期的整備の内容は、遺構の整備(樹木の計画的伐採、貝層保護のための盛土、復元集落エリアの再整備)や修景整備、それに施設整備として便益施設等の設置、既存施設(野外観覧施設や園路等)の再整備、サインの再整備、解説機能向上のための映像等の制作、インフラ等の整備。

 復元集落エリアの再整備では、復元した既存の竪穴式住居3棟(うち内部公開は2棟)に加え、来訪者が縄文時代の暮らしを体験できる竪穴式住居を新たに1棟復元。

 また、施設整備に関しては、現博物館の隣接地に団体利用者(80人程度)を収容できる休憩室やトイレ、学習スペース等を備えた便益施設を220㎡程度で整備するほか、東屋(南貝塚東側)、ベンチ等を配置。野外観覧施設については、北貝塚住居跡群観覧施設の耐震補強のための屋根改修や展示環境の改善を実施する予定。

 このうち、北貝塚住居跡群観覧施設については別途、内外部改修実施設計を大塚建築設計事務所(千葉市中央区祐光2-7-1)に委託して進めており、RC造平屋建て、延べ281・96㎡の施設の内外部改修及び耐震改修、それに伴う電気設備、空調設備の改修を行う予定。

 また、園路・管理用道路については、南貝塚の園路を歩行しやすく、車いすでも安全に通行できるよう現在の幅員2mで舗装(土系舗装が基本)。最も東側に位置する外周の園路は、将来的に管理用道路とすることを想定しているため、幅員を現在の2mから3mに拡幅して、管理用車両等が通行可能な舗装に改修。南貝塚の中央を通る園路は、発掘調査を行うことを考慮して舗装は行わず、現状のままとする。北貝塚の園路は、新博物館の建設にあわせて整備を検討する。

 インフラ等の整備に関しては、復元集落エリアで体験学習など活用の幅を広げるため屋外水道を新設し、史跡南端の給水タンクから復元エリアの消火栓まで給水管を延長。また、汚水管を設置して史跡外の汚水桝に接続する。

 こうした史跡の再整備により、来訪者が大幅に増加することが見込まれる上に、史跡の区域外に新博物館を建設する計画であることから、交通影響調査では史跡や新博物館エリア周辺の道路に与える影響や、新博物館エリアへのアクセス道路のあり方、駐車場整備のあり方等を検討する。

 新博物館エリアは、同貝塚北東の坂月川対岸、モノレール沿いにある小倉浄化センター跡地(若葉区小倉町937-7)で、面積は同跡地及び隣接地を含めて約1ha。新博物館(新ガイダンス施設)については本年度、丹青社(東京都港区港南1-2-70)に委託して基本計画の策定を進めている。

新博物館エリア

紙媒体での情報収集をご希望の方は
建設新聞を御覧ください。

建設新聞はこちら