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国土交通省

【地価調査】地方圏の商業地が28年ぶり上昇に

2019/09/20 本社配信

 国土交通省が公表した2019年7月1日時点の都道府県地価調査結果によると、全国平均で全用途平均は2年連続上昇し、上昇基調を強めている。用途別では、住宅地は下落幅の縮小傾向が継続、商業地は3年連続で上昇した。また地方圏では、住宅地は下落幅の縮小傾向が継続しており、商業地はバブル景気の最盛期だった1991年以来28年ぶりに下落から上昇へ転じるなど、全国的に地価の回復傾向が広がっている。

 住宅地は、雇用・所得環境の改善が続く中で、低金利環境の継続と住宅取得支援施策等による需要の下支え効果もあり、交通利便性や住環境の優れた地域を中心に需要は堅調となっている。

 商業地は、景気回復と良好な資金調達環境の下で▽高水準の企業収益が続く中、働き方改革等に対応したオフィス環境の改善の動きも加わり主要都市でオフィス需要が堅調▽外国人観光客をはじめとする訪問客の増加により、店舗、ホテル等の進出意欲が旺盛▽交通インフラの整備や再開発事業等の進展に伴い、利便性やにぎわいが向上―などを背景に需要の拡大が見られる。

 三大都市圏では、全用途平均・住宅地・商業地のいずれも各圏域で上昇が継続し、上昇基調を強めている。

 地方圏は、地方四市(札幌市、仙台市、広島市、福岡市)では上昇基調をさらに強めており、地方四市を除くその他の地域でも下落幅の縮小傾向が続く。国交省では「県庁所在地の回復傾向も相まって商業地はプラスになった」としている。

 なお、工業地に関してもインターネット通販の普及・拡大などを背景として全国的に工業地に対する需要が回復し、全国の平均変動率が2年連続上昇となり、地方圏では92年以来、27年ぶりに上昇へ転じた。

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