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栃木県栃木土木事務所

栃木土木事業概要、杣井木川排水機場を発注、下野SIC工区は詳細設計、大師町は電線共同溝、総額121億

2019/09/19 日本工業経済新聞(栃木版)

 県栃木土木事務所は、今年度の事業概要をまとめた。繰り越しを含めた事業費総額は121億6549万2000円を投入。内訳は国庫補助・交付金事業が93億7158万円、県単事業が26億8091万2000円、受託事業が栃木商業高校防球ネットと扶桑住宅8号棟外構工事に1億1300万円を配分した。小山市の杣井木川排水機場は土木工事と設備工事に分け、2月議会で工事請負契約締結承認を求める見通し。壬生町の都市計画道路3・3・910号おもちゃのまち下古山線若草町工区は、東武鉄道跨線橋の4車線化へ向けた準備を進める。下野市の主要地方道羽生田上蒲生線下野SIC工区は、スマートIC関連の道路詳細設計に着手した。(2面に主要事業個所)

 杣井木川は栃木市境町の源流から小山市押切で永野川左岸に合流する流路延長9・2㎞、流域面積12平方㎞の1級河川。流域は巴波川と永野川の堤防に囲まれているため、永野川合流点に排水機場を整備。大雨時には永野川の水位上昇に応じ、ポンプ排水している。

 【杣井木川排水機場】

 杣井木川排水機場は2015年関東・東北豪雨時に冠水し、エンジンが非常停止。流域では浸水面積100ha、床上浸水69戸、床下浸水9戸の甚大な被害が発生。ポンプ能力を上回る出水が原因だけに、排水ポンプの増設と調節地の築造を計画した。

 現況のポンプは毎秒7㌧の排水能力。毎秒2・5㌧を排水する立軸軸流ポンプ2台を設置し、毎秒5㌧の排水能力を確保。毎秒計12㌧に増強を図る。隣接地に新施設用地2764平方mを取得済み。今年度は調節地の詳細設計も委託する。総事業費は23億円。

 【若草町工区】

 若草町工区は、主要地方道羽生田上蒲生線に街路事業を導入。東進方向は前後区間が4車線なのにもかかわらず、跨線橋が3車線(東進1車線、西進2車線)の変則系。西進方向は主要地方道宇都宮栃木線に向かう右折滞留長が不十分のため、渋滞が発生している。

 東西部の延長605m(東側384m、跨線橋11・4m、西側210m)区間を幅員25mに拡幅改良。両側の副道5mを含む部分は32mを確保する。跨道橋は上部工がプレテンホロー桁、下部工はラーメン橋台。今年度は用地補償。総事業費は21億円。

 【下野SIC工区】

 壬生町~下野市~上三川間を連絡するのが羽生田上蒲生線。一部は北関東自動車道と交差する平成橋付近から分岐し、高速道路の側道機能を有す。下野スマートIC整備計画では高速道本線に乗り入れるランプ部や変則車線の設置により、県道の付け替えが必要。

 外側に緩いカーブを描く形で延長600m(幅員7・75m)区間を移設。今年度の道路詳細設計はシー・アイ・エス(宇都宮市)に委託。総事業費は3億円。物流面では石橋第2工業団地、計画中の西坪山東産業団地、施工中の上三川インター南産業団地を支える。

 【大師町工区】

 壬生町の一般国道352号大師町工区は、電線共同溝を計画。西側の主要地方道宇都宮栃木線本丸交差点付近から東側の一般県道上田壬生線大師町南交差点までの延長550m(延べ1100m)区間を改良する。歩道幅を広げ、幅員を14・5mに拡幅する。

 幅員構成は車道3・25m×2、両側に自転車通行帯1m、外側歩道は3m×2。今年度は道路詳細設計や電線共同溝の予備設計。20年度は用地測量、用地調査、用地補償を予定している。総事業費は15億円。歩行者や自転車の通行安全性を向上させる。

 【平和・潤島工区】

 一般県道境間々田線(都市計画道路3・4・7号小山野木線)は、小山市平和~野木町潤島の延長2430m(幅員15m)区間を新設する。標準部は車道3m×2、歩道3・5m×2、自転車通行帯1m×2。今年度は用地取得や工事。総事業費は21億円。

 西側を並行する一般国道4号に南北交通が集中し、慢性的な渋滞が発生。JR宇都宮線の東側に沿うようにバイパスを整備し、4号の機能を補完。災害時には代替幹線道路の機能を担う。4号の渋滞緩和を図り、野木第2工業団地へのアクセス性を向上させる。

 【大町Ⅱ工区】

 栃木市の主要地方道宇都宮亀和田栃木線大町Ⅱ工区は大町交差点を北上し、東武鉄道日光線高架橋手前までの延長450m区間の両側歩道を改良する。一帯は歩道幅が狭く自転車と歩行者が錯綜し、電柱や架空線が都市景観を妨げている。電線類を地中化する。

 現行の道路幅員18mは変更しないため、用地取得は不要。歩道幅員3・5mを4・5mに拡幅するほか路肩2mを1・25mに、車道3・5mを3・25mに縮小。延べ900mの両側歩道を改良。今年度は電線共同溝工事。総事業費は5億円。

 【卒島Ⅱ工区】

 小山市の主要地方道栃木小山線卒島Ⅱ工区は主要地方道小山環状線を起点とし、栃木市境付近の広域農道までの延長2400m区間を整備。栃木・小山生活圏の2つの中心都市間を直結し、県南部の流通を支える。全幅33mで計画し、暫定2車線で整備する。

 全幅33mの内訳は幅2mの中央分離帯の両側に3・25mの車道2車線と1・5mの路肩を設置。道路部分の両側には歩道の代わりに5mの副道を通す。沿道は農家が多く、農耕車、歩行者、自転車利用を考慮。今年度は用地調査や用地補償。総事業費は21億円。

 【大宮工区】

 主要地方道栃木二宮線大宮工区(栃木市今泉町1丁目~大光寺町)は、延長3600m(幅員15・5m)区間をバイパス化。幅員は車道3・25m×2、路肩1m×2、歩道3・5m×2。今年度は用地調査、用地補償、工事。総事業費は27億円。

 市が整備する都市計画道路3・4・203号今泉泉川線を起点とし、広域農道までの延長1300m区間の整備を優先する。現道沿道には大宮北小、東陽中、国府南小が立地。通過交通量が激しいにもかかわらず、幅員は8m程度と狭く、歩道の未整備区間が点在する。

 【都賀西方工区】

 栃木市の一般国道293号都賀西方工区は、東北自動車道都賀西方PAへのスマートIC整備を支援する。東北道と交差する国道293号は市西部を横断し、鹿沼方面と佐野方面を結んでいる。1日の通過交通量が1万台を超える広域幹線道路。

 交通量の増大が予測され、円滑な通行の確保に右折レーンを設置する。延長は西方町元を起点とし、都賀町富張を終点とする600m。右折レーン部の幅員は17m。今年度は用地取得や工事。総事業費は4億2000万円。20年度の完成予定。

 【大町】

 1級河川巴波川(栃木市大町)は、とちぎメディカルセンターとちのき東側~市道1024号線ふたまた橋上流の未整備区間改修と遊水池群の整備を計画。延長約1600m区間を改修する。今年度は用地補償と工事。総事業費は40億3000万円。

 【小金井工区】

 下野市の主要地方道鹿沼下野線は、旧石橋町と旧国分寺町を南北に結ぶ主要道路。国道4号のバイパス的役割を果たし、交通分散化が求められる。一般県道下野壬生線以南の延長2100m(幅員17m)区間を整備。今年度は用地取得と工事。総事業費は20億円。

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