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県内地価調査、住宅地48地点で上昇、宅地、商業地ともJR沿線が堅調

2019/09/20 日本工業経済新聞(栃木版)

 県は19日、2019年の土地取引の指標となる7月1日時点の地価調査結果を発表した。林地を除いた1平方m当たりの平均価格は前年比0・7%減の3万9600円。住宅地は27年連続、商業地は28年連続の下落ながら下落幅は8年連続で縮小した。住宅地は宇都宮市36地点、小山市9地点、下野市2地点、佐野市1地点の計48地点が上昇。地価上昇地点は前年から17地点増加し、80地点を記録した。(2面に表一覧)

 調査は県内基準地447地点(住宅地307、宅地見込み地12、商業地103、工業地13、林地12)で実施。継続調査したのは432地点。このうち80地点が上昇(18・5%)、71地点が横ばい(16・4%)、281地点が下落(65・1%)した。

 1平方m当たりの平均は住宅地が前年比0・7%減の3万2600円、宅地見込み地は0・9%減の1万5300円、商業地は0・6%減の6万6400円、工業地は前年と変わらず1万5600円となった。

 下落幅は前年比で住宅地が0・1ポイント縮小。宅地見込み地は前年と変わらず。商業地は0・2ポイント縮小。工業地は28年ぶりに下落から脱する横ばい。林地は0・2ポイント縮小した。

 住宅地価格の上位5地点のうち宇都宮市が4位までを占め、下野市祇園2丁目が前年の5位から4位タイに並んだ。1平方mの価格は1位の元今泉5丁目が11万6000円、2位の元今泉7丁目は11万3000円。4位タイの祇園2丁目は10万4000円。

 住宅地の上昇率順位では宇都宮市の元今泉7丁目が変動率3・7%で首位、元今泉5丁目は3・6%で2位。3位の下野市祇園2丁目は3・0%。小山市は東城南5丁目が2・6%で4位、駅南町1丁目と城東3丁目はともに2・3%で5位を分け合った。

 住宅地の上昇地点は前年比10地点の増加。横ばい地点は前年比8地点増の53地点。市町別の前年比変動率は宇都宮市が2年連続、小山市と下野市が3年連続で上昇した。県央から県南にかけてのJR宇都宮線沿線や居住環境良好な住宅地の需要が堅調。

 商業地価格の上位5地点は宇都宮市が独占。1平方mの価格は①池上町32万円②江野町28万8000円③池上町27万4000円④東宿郷4丁目27万1000円⑤大通り2丁目24万6000円となった。

 商業地上昇地点の変動率1位は宇都宮市東宿郷4丁目と下野市祇園1丁目がともに2・7%。宇都宮市は城東2丁目が1・6%で3位、下栗町は1・5%で4位、今泉1丁目は1・4%で5位だった。

 商業地の上昇地点は前年比1地点増の26地点(宇都宮市21地点、小山市4地点、下野市1地点)。横ばい地点は前年比4地点増の14地点。変動率は宇都宮市が3年連続、下野市が5年連続で上昇。小山市は1991年以来、28年ぶりに上昇に転じた。

 上昇地点は住宅地と同様、県央~県南のJR沿線。宇都宮駅周辺や小山駅周辺は再開発事業が進展。小山市は05年度から、中心市街地商業出店促進事業補助金をスタート。補助率50%で上限は内層改造100万円、家賃補助60万円(1年間)を交付する。

 一方、中山間地域の各市町商業地は郊外の沿道型店舗への顧客流出や人口減少、高齢化が拍車を掛け、購買力減退により地価下落が続く。観光地は二社一寺に近い日光市本町は2年連続の横ばい。鬼怒川、塩原、那須の温泉街は宿泊数が回復途上ながら依然下落傾向。

 工業地は首都圏に近い大規模工業地を中心に企業の進出意欲が高い。地価上昇地点は前年のゼロから宇都宮市、足利市、栃木市、小山市、芳賀町の5地点。小規模工業地は宇都宮市、佐野市、鹿沼市、上三川町の4地点が横ばい。残る4地点は下落した。

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