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松本市の建築2大プロジェクトの今

2019/09/20 長野建設新聞

松本市の建築2大ビックプロジェクトの基幹博物館と市役所新庁舎について今週、市議会の建設特別委員会が開かれ、現在の動きが報告された。基幹博物館は実施設計が完了したことから工事費等の債務負担行為を設定し、今年度末の工事発注に向けて入札に向けた準備を本格化させる。一方の市役所新庁舎は、基本計画の骨子案がまとまったことから、来週26日から10月9日にかけて市民説明会を開催。11月をめどに基本計画案を作成する。

基幹博物館は久米・伊藤・乃村JVが担当していた実施設計が7月末で完了した。建設場所は松本市大手3-2-27地内の敷地4115㎡。建物は建築面積2973㎡、RC(一部S)造地上3階建ての耐震・耐火構造、延べ床面積は7775㎡。1階は定員140人の講堂、交流学習室など2769㎡。2階は一般収蔵庫や特別展示室など2632㎡。3階は常設展示室、一般収蔵庫など2374㎡。エレベーターは24人用の乗用1600㎏と荷物用3500㎏を1基ずつ設ける。現地では埋蔵文化財調査が進んでいる。

事業費は建築工事費が65億7148万円、展示製作費10億4163万円、建築工事監理費8096万円。展示製作費は来年度6月補正予算で債務負担行為を設定する予定。

整備スケジュールは、今年度内に建築工事の入札を行い、来年度から2年余りの工期で建設。その後、空気環境調整など準備期間を経て2023年度のオープンを目指す。

市役所新庁舎は、今年度内に策定する基本計画について、骨子案がまとまった。来週26日から10月9日まで6会場で市民説明会を開催するほか、今月28日には第10回目となる市民懇話会を市役所で開催して意見を聴き取る。

建設予定地は、市道1095号線を挟み東西に敷地が分断されることから、今回、建物の配置パターンとして2棟構成、議会棟を別棟とした3棟構成、立体道路制度を活用した1棟構成の3パターンを示した。2棟構成は標準的な工事で工期やコストについても標準的なものとなる。分断される庁舎は渡り廊下を複数設置するなどして利便性を確保する。3棟構成は、議会の独立性は確保されるが建設費が上昇する。1棟構成は庁舎の一体性が確保され利便性がもっとも優れ、ゆとりある土地利用が可能だが、特殊な工法を採用することから工期が長くなり、標準的なコストに対し5~7%程度建設費が上昇するとみている。ただ市道1095号線は都市計画道路として18mの道路幅員を確保するが、道路上空をまたいだ庁舎建設は、費用面など考慮すべき点はあるとしたものの立体道路制度により「活用は可能」としている。

新庁舎の規模は、配置する機能や職員数から2万4450㎡、2万5760㎡、2万6350㎡の3パターンを提示した。

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