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千葉県八千代市

後背地施設との連携を/エリアマネジメント調査/八千代市 かわまちづくり

2019/10/01 日刊建設タイムズ

 八千代市資産管理課は、かわまちづくりと後背地の施設を連携したエリアマネジメント調査を公募型プロポーザルで委託する。今月10日に応募意思表明書の提出を締め切り、同16日に応募資格確認結果を通知。同17日から23日まで企画提案書を受け付け、同下旬のプレゼンテーション審査で最優秀提案及び優秀提案を選出し通知する。提案上限額(消費税を含む)は899万8000円。

 応募資格は、過去10年間において国、県、市町村と契約の実績があること。技術士(建設部門の都市及び地方計画、または総合技術監理部門の建設一般・都市及び地方計画)、一級建築士のいずれかの資格を有する者1人を管理技術者として専任できること等。履行期限は2020年3月9日。

 同市は現在、佐倉市、成田市、印西市、酒々井町、栄町とともに「印旛沼流域かわまちづくり計画」を進めており、本年度は計画区域内のほぼ中間地点にある阿宗橋について、桟橋の整備に向けた実施設計を建設環境研究所に委託。また、新川周辺エリアの民間まちづくり活動も本年度より具体的に動き出している。

 今回の業務では、これらの動きに合わせ、今後人口の減少が見込まれる中で、持続可能な公共施設の維持管理に関する課題解決を含め、「印旛沼流域かわまちづくり計画」と連携したエリアマネジメントの先導的な事業を検討する。

 具体的には、阿宗橋に近接する宿泊設備を伴う自然豊かな施設である「八千代市少年自然の家」を中心に、新川周辺の自然環境を最大限生かしつつ、収益を前提とする民間ノウハウを活用した施設整備等を行うため、官民連携事業の導入の可能性について調査を実施する。

 対象区域は、「印旛沼流域かわまちづくり計画」における阿宗橋周辺(八千代市少年自然の家)から「道の駅やちよ」を中心とする区域。また、対象施設は、対象区域内に点在する少年自然の家等の既存の公共施設やその他、新川遊歩道やかわまちづくり計画で今後整備が予定されている水辺拠点等。

 前提条件の整理のため、対象施設のポテンシャル調査(対象施設機能・サービス内容を踏まえた把握)、周辺ポテンシャル調査(周辺関連施設等の相乗効果発現可能性の把握)、エリア自体のブランド調査を実施。

 また、事業パートナー制度の検討として、かわまちづくり計画で進められているハード整備の内容も踏まえ、エリア全体の価値の向上を目的に後背地の複数施設のソフトの事業内容を十分考慮し、かわ沿いの他の施設等の運営とビジョンを共有。一体として施設の整備等の制度設計を主体的かつ迅速に行うために「事業パートナー制度」の導入可能性及び、その具体的な役割や業務等を検討する。

 さらに、対象区域内では道の駅のみで収益事業を展開しているが、少年自然の家等の対象施設等について民間事業者に広くサウンディング調査を行い、市の財政負担の軽減につながる可能性について検討する。

 このサウンディング調査の結果を踏まえて、面でつながっている船道を含めた対象施設等の包括的な管理(指定管理等)の可能性を調査する。具体的には、少年自然の家におけるカヌーやサイクリングの需要を想定した宿泊事業、佐倉市と連携した舟運事業、河川敷地等を活用した飲食事業、イベント事業等の収益が公共施設の将来的な改修費等低減につながる事業スキームの検討など。

 そして事業者参画のための制度設計を行うとともに、かわまちづくりについて官民がビジョンを共有し、エリアとして一体的に運営するために「事業パートナー」が継続的に関わるための官民の役割を整理。特に、少年自然の家を中心として民間収益事業や施設の安全対策、更新に係る費用などの試算も行った上で、公共負担の低減を実現するスキーム、エリアの中で収益を循環させる効率的なファシリティマネジメント案を提示する。

 これらを踏まえて、少年自然の家、道の駅やちよをはじめ、広く新川周辺に点在する施設及び事業等に関して、地域の価値を高めるエリアマネジメントの可能性を調査・検討する。

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