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湯川ダム地点 来週にも公告/与田切既存改修は今月下旬/水力発電所整備

2019/10/11 長野建設新聞

 県企業局は湯川ダム地点(御代田町)における水力発電所建設工事を10月中旬に、与田切発電所(飯島町)の大規模改修工事を同月下旬に公告する予定だ。2件とも事業者の選定方法は公募型プロポーザル方式(設計・施工一括発注工事)を採用する。

 湯川ダム地点は、企業局が2018年度から進める新規電源開発地点発掘プロジェクトの早期調査着手地点の一つ。県が管理する湯川ダム(堤高50m、堤頂長53m、1978年度完成)を活用する形で建設する。想定緒元は最大出力199kW、最大使用水量0.94m3/s、有効落差28m。年間発電量は127万kWh(約350世帯分)を見込む。運転開始予定は2024年度。

 発電所は湯川左岸側のダム直下に建設。既設放流管から分岐し発電所へ導水し、発電放流水はダム副堰堤へ流下する。ダム下流の河川流量は変わらない。現場は下流からのアクセスが困難なため、資機材の搬入についてはダム天端に仮設構台などを設置し、クレーンでの搬入を想定している。

 一方、与田切発電所の大規模改修工事では水車発電機と送変電設備を更新する。概算事業費は16億6000万円。同発電所は1986年に運転を開始。水路式で、水車発電機1台を配置している。最大出力は6300kW、年間発電量は2180万kWh。

 また、同工事とは別に取水堰堤の改修も計画しており、現在は基本設計を建設技術研究所へ委託し策定中。改修工事の進捗を見ながら次年度以降、詳細設計・施工の一括方式で発注する予定。

 同発電所の上流に建設する新たな発電所については9月25日に公募型プロポを公告。優先交渉権者は2020年3月中旬に決定する。事業費の参考価格は22億8000万円(税込み)。20年度に設計を策定するとともに、21年度にかけて水利権などの手続きを実施。工事は22~23年度で、24年度の運転開始を見込む。

 なお、新規電源開発地点発掘プロジェクトの早期調査着手地点のうち未着手は他に3カ所。県管理ダムを活用した湯の瀬ダム地点(長野市、想定最大出力790kW、想定年間発電量350万kWh)では現在、取水方式などを含め概略設計の比較検討を実施中。県管理の砂防ダムを活用した川上村秋山地点(想定最大出力100~150kW、想定年間発電量50万~90万kWh)と梓山地点(想定最大出力20~30kW、想定年間発電量13万~20万kWh)では地元調整などを進めている。

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