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山梨県富士川町

富士川町新庁舎4970㎡に 「計画は妥当」の声も

2019/10/12 山梨建設新聞

 富士川町の新庁舎建設について話し合う会合が7日、町役場で開かれ、基本設計案について意見を交わした。事務局が庁舎の規模や配置、事業費といった計画を立てるに至った経緯や根拠を説明。新たに庁舎の地下に書庫を設置する案も示された。委員からは計画について「妥当だ」との声も聞かれた。12月には住民説明会も開き年度内に基本設計を固める。

 新庁舎はRC造地上3階建てで、延べ床面積をこれまで4700~4800㎡としていたが、2階に設置する予定だった書庫を地下につくる案が新たに示され、約4970㎡になった。延べ床面積は増えるが、はりの数が減ることなどから大幅な建設費増にはならない見込みという。

 建設費については1㎡あたり40万円程度、総額20億円規模を想定している。事務局は最近近隣町村で建てた施設の事例として、市川三郷町の生涯学習センターは1㎡当たり42万円、早川町の庁舎は同41万3000円、中央市の増築庁舎は同42万8000円と、相場を委員に示した。

 委員からは庁舎の規模について「人口減少が進む中、適正かどうか疑問」との意見が出た。事務局は、庁舎の適正規模は人口推計だけに寄るものではないと説明。事務局によると、身延町については2014~18年度の間に人口が約1600人減ったが職員は2人減っただけ、市川三郷町は同期間に約1300人減ったが逆に職員は14人増えた。富士川町についても現在の人口約1万5000人が今後年200人程度減少していくとの見通しだが、「職員の数は人口に正比例して減るものではない」と、行政サービスには今後も一定の職員数とそれに見合った施設規模が必要との考えを強調した。

 新庁舎を現庁舎の東側につくる配置案については、仮設庁舎の必要性や必要となる引っ越しの回数、周辺への日影の影響、維持管理のしやすさ、などの観点から判断。敷地の東側と西側で3m程度の高低差があるため、より高い西側の土を東側に移し、平らにする計画も明らかにした。事務局によると、用地に掛かる民家1戸とガソリンスタンドについては買収に同意しているという。現在建設予定地内を走る町道の機能については、敷地内に歩行者や車椅子利用者が通れる道を設置。車は役場南側の道路を広げるなどして予定地東側の道路を代替ルートにするとした。

 会合後、建設行政に詳しいある委員は「曲線がある建物は建設費が高くなるが、(今回の庁舎は)最も安く造れる真四角の建物。計画は妥当だと思う。いろいろな考え方があるようだが、何が町民に取って必要であるかを考えて決めていくべきだ」と話した。

 事務局は11月中旬に次回会合を開き、その後同下旬~12月上旬の間に住民説明会を開く。年度内に基本設計を固め、20年度から実施設計に着手する予定。設計は山形一級建築士事務所・綜合建築設計事務所JVが担当している。


【写真=富士川町役場周辺。右側の駐車場に新庁舎を建てる】

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