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栃木市 新まちづくり計画、総合支所複合化など7事業、特例法に基づき5年延長、大型事業に合併推進債

2019/11/02 日本工業経済新聞(栃木版)

 栃木市は、新市まちづくり計画の変更に着手する。①総合支所複合化②斎場再整備③子どもの遊び場④大平地域保育園⑤文化会館再編⑥消防庁舎⑦消防指令センター-の7つの整備事業に合併推進債を活用する。活用期限は2024年度までの5カ年間。24年度以降の事業費は自主財源で賄う。市議会12月定例会に関係議案を提出の見通し。

 新市まちづくり計画は09年10月に「栃木市・大平町・藤岡町・都賀町合併協議会」が策定。10年3月に合併が成立した。1市3町合併時の基本計画が合併特例債の対象。その後11年10月に西方町、14年4月に岩舟町が加わり、現在の市域となった。

 西方町と岩舟町との合併時に策定した新市まちづくり計画は合併特例債の対象外。本来は今年度が計画期間の最終年度。「東日本大震災に伴う合併市町村に係る地方債の特例に関する法律」が施行し、合併特例債の発行期限が10年から15年に延長された。

 市では合併推進債の活用を5年間延長し、公共施設整備事業に要する経費に充てる。各事業への合併推進債の充当率は90%、元利償還金は40%相当額。これら7事業に合併推進債を活用しない場合、一般財源24億2265万円が必要となる。

 新市まちづくり計画は公共施設の統合整備について、市民生活に急激な変化を及ぼさないよう地域バランスや利便性、財政事情を考慮しながら進めることを明示。合併を機に他の類似施設との複合化や役割分担を踏まえ、統廃合を含めて検討することにした。

 こうした指針に基づき、市は17年3月に「公共施設適正配置計画」を策定。公共施設は488施設、延べ床面積60万1102平方mあり、多くは高度経済成長期の建設で一斉に老朽化。25年度までに延べ床面積10・3%の削減を目標に掲げた。

 この中で総合支所複合化と文化会館の統合をモデル事業に位置付け、18年5月に「総合支所複合化基本方針」を策定。優先順位を付け、都賀、藤岡、大平、西方の順に総合支所複合化の方向を示した。都賀支所は約19億円を投じ、23年度の開庁を目指している。

 都賀総合支所複合化は19~20年度で基本・実施設計を本澤建築設計事務所(宇都宮市)が担当。建設地となる都賀文化会館と都賀保健センター(都賀町原宿)は20~21年度で解体。22年度に新築工事に着手する。23年度に旧庁舎を解体する。

 斎場再整備はPFI法に基づくBTO方式で施設の所有権移転後、特別目的会社が維持管理運営を15年6カ月担当する。平井町から岩舟町三谷に移転新築。20年2月下旬に入札を公告し、21年1月に設計・施工に着手。23年9月に施設の完成引き渡しとなる。

 子どもの遊び場は祝町にS造平屋建て延べ床面積1585平方mの児童館を建設。20年の市議会6月定例会で契約締結承認を求め、21年7月末に完成。21年度に駐車場を整備し、オープン予定。総工費は約12億円。基本・実施設計は牧田設計(栃木市)。

 消防本部・消防署庁舎は19~20年度で基本・実施設計を大森一級建築士事務所(小山市)がまとめる。平柳町の現地で建て替える。本庁舎はS造4階建て延べ床面積3700平方m規模。22年1月に着工し、23年5月の完成を目指す。総事業費は約29億円。

 分署は狭あい化や老朽化の進行具合を踏まえ、都賀・西方分署、大平分署、藤岡分署の順に効率良く施設整備を進めていく。計画期間は28年まで。都賀・西方分署は20年度、大平分署は22年度、藤岡分署は24年度の各基本計画策定時に整備用地を検討する。

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