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栃木県壬生町

壬生町新庁舎 来春に公告、都市計画案、2.6haに地区計画、用途、高さ、形態を制限

2019/11/13 日本工業経済新聞(栃木版)

 壬生町は、新庁舎建設事業に関する都市計画案をまとめた。本庁舎地区(壬生甲)の市街化調整区域約2・6haに地区計画を導入し①建築物の用途②建築物の高さ③建築物の形態と意匠-を制限。併せて利便性や安全性を確保する道路の配置や規模を設定した。年明けにも町が都市計画決定を告示し、開発行為の許可を申請。春には総合評価落札方式の条件付き一般競争入札を公告し、議会承認後に着工。RC造3階建ての新庁舎とRC造2階建ての付属棟で構成し、総延べ床面積は7670平方m。2021年度の完成を目指し、総事業費36億7000万円を見込んでいる。

 本庁舎地区は東武鉄道宇都宮線国谷駅から南西へ約1・2㎞、北関東自動車道壬生ICから南へ約2・7㎞に位置。都市計画道路3・4・1号宇都宮栃木線(栃木街道)に接し、交通条件に恵まれている。町の人口重心点からの距離が約1・4㎞と近い。

 北部、中部、南部3地区の均衡ある発展の核となる拠点整備を図るため、3月に一部改訂した町第6次総合振興計画基本構想や町都市計画マスタープランで公共公益拠点に位置付けた。浸水想定区域外だけに、町民の命を守る防災拠点機能を十分に果たす。

 建築物の用途は町役場本庁舎、防災センター、付属施設に限定。建築物の最高限度は20m。建築物の形態、色彩、意匠、屋外広告物の大きさや形状を周辺環境と調和した落ち着いた色調とする。幹線道路は1級町道3号線、補助幹線道路は町道3-551号線。

 地区計画面積は庁舎建築面積4708平方m(新庁舎3967・4平方m、付属棟740・6平方m)、駐車場4939・5平方m(来庁者用132台、公用車用41台)、オープンスペース1万2015・9平方m(広場、駐車場、その他)、道路4187・5平方m。

 敷地北側の1級町道3号線は延長185m、幅員14~17m、西側に接する町道3-551号線は延長105m、幅員10・5mに改良。広場は平時に各種イベント、有事の際には災害対策活動や救済スペースに活用できるよう8240・6平方mを確保する。

 雨水は地下式調整池を設け、流末は農業用幹線排水路の恵川を経て約1㎞下流の1級河川黒川に合流。汚水は恵川地区農業集落排水事業に接続。排水管は町道3-551号線に布設した口径150㎜管に接続する。接続管種は硬質塩化ビニール管を検討している。

 資金計画は建設工事33億円、外構工事1億4000万円、設計監理1億3000万円、付帯設備・備品1億円と試算。財源は国の市町村役場機能緊急保全事業債24億円(対象額×90%)、庁舎建設基金12億円、一般財源7000万円で賄う。

 基本・実施設計は公募型プロポーザルの結果、梓設計(東京都品川区)が担当。設計コンセプトは「町のリビング」。基本設計は完了し、実施設計は来年2月が履行期限。雨水処理施設実施設計と開発許可申請業務はフケタ都市開発(宇都宮市)に委託した。

 現庁舎(通町)の最も古い建物は築61年が経過。老朽化が著しく、震度6強の地震で倒壊または崩壊の可能性が高いと指摘された。加えて17年の見直しで1級河川黒川の浸水想定区域(0・5~3m)に指定された。防災上、庁舎の早急な移転新築が不可欠。

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