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栃木市都賀西方SIC、NEXCO 拡大型指名競争入札を公告、市が案内標識26基設置

2019/11/15 日本工業経済新聞(栃木版)

 東北自動車道都賀西方PAスマートIC整備事業(栃木市)は、NEXCO東日本が拡大型指名競争入札を公告した。都賀西方PA上下線にETCゲートを1カ所ずつ設置し、国道293号からゲートまでの乗り入れ口を上下線で総延長705・6m整備する。法面の土工量は4万4000立方mと試算。総事業費24億5000万円(NEXCO15億5000万円、市負担金9億円)が投じられ、主要工事はNEXCOが執行する。国道293号関連工事では県栃木土木事務所が交差点に右折レーンを追加し、市はSICの案内標識26基を設置する。20年度末の完成を目指す。

 入札参加資格は土木B級の2者で構成する特定JVまたはB級とC級の2者で構成する特定JV。工事概要は切盛土工、法面工、用排水路工、溝渠工。工期は履行ボンド取得の翌日から660日間。入札書の提出期限は12月12日、翌13日に開札する。

 発注者、受注者、設計者が一堂に介し、工事品質を確保する三者協議会の対象。契約締結後、労働者や建設資材確保の変更があった場合は費用の設計変更が可能な試行対象。受注者はi-Construtionに基づく生産性向上のICT土工の提案ができる。

 拡大型指名競争は、公募を併用した入札方式。登録済みの有資格者のうち資格要件を満たす者全てを指名。これ以外の競争参加者を公募し、資格を確認した時点で入札参加を認める制度。指名により参加者を確保し、指名業者以外の参加を求めることで競争性を保つ。

 ゲートはドーナツ型のラウンドアバウトを採用。ETC不搭載車両が誤進入した場合、東北道に乗り入れることなく一般道に戻れる。進入車対応制御バー6本を設置。車両がラウンドアバウト内に進入した場合、車両が出るまで次の車両用ゲートは開かない仕組み。

 SICへの進入路は、東北道下を東西方向に交差する国道293号線に上下線を築造。上り線は市道53111号線の延長324・3m(西方町元~都賀町富張)、下り線は市道52200号線の延長381・3m(西方町元)。幅員はいずれも7~14・8m。

 上り線は市道との交差部が3カ所あり、ボックスカルバートを現場打ち施工。南進する市道1012号線は幅8・5m、高さ3m、東進する市道1012号線は幅9・6m、高さ4・7m、東進する市道42001号線は幅4・6m、高さ4・7mで構成する。

 法面土工量4万4000立方mのうち下り線の斜面は丘陵地の切土で賄い、上り線の斜面は1万立方mを盛土する。盛土は工事発生土を活用する方向。市は8月、標識詳細設計を富貴沢建設コンサルタンツ(宇都宮市)に委託した。履行期限は年度末まで。

 国道293号への案内標識設置は新設10基、更新16基を検討。設置位置は東側の西方小学校前歩道橋が更新3基、西方中学校交差点更新2基、SIC事業地周辺が新設10基、西側の大柿十字路交差点が更新4基、尻内橋東交差点が更新7基を予定している。

 市教育委員会は着工に先立ち、5月末~8月末の間に下り線の斜面で脇谷遺跡の埋蔵文化財発掘調査を実施。古墳時代から中世時代にかけての集落跡を確認し、土器や石器類が出土した。発掘調査支援は日本窯業史研究所(那珂川町)に委託。調査内容は記録保存する。

 SIC詳細設計、舗装設計・標識詳細設計は個別に計画エンジニアリング(東京都豊島区)が担当した。IC幅杭設計やIC詳細設計、溝渠工設計、パイプカルバート設計。舗装・標識設計は佐野市西浦町~宇都宮市宝木町間、佐野市寺久保町~下野市上古山間。

 県栃木土木事務所は国道293号の交差点部に右折レーンを設置し、SICの利便性向上を支援する。計画区間は西方町元を起点とし、都賀町富張を終点とする延長600m、幅員17m。今年度は用地取得や工事。総事業費は4億2000万円。

 計画区間は栃木IC~鹿沼IC間の18・8㎞。栃木ICに6・5㎞、鹿沼ICに12・3㎞。栃木IC付近は東北道への乗降車両をはじめ、国道293号や主要地方道栃木粕尾線の往来が多く慢性的に渋滞。SIC設置により、栃木IC入り口の混雑を緩和する。

 交通分散化による円滑性や安全性を確保し、救急医療機関「西方病院」や防災拠点「道の駅にしかた」への救援活動や緊急物資輸送能力が飛躍的に高まる。SICへの10分圏域が形成され、約4000人の高速道路利用環境の向上につながる。

 市ではSIC設置に向けた調査検討を11年度から開始。15年度に国の準備段階調査個所に選定され、16年度に実施計画書を提出し、新規事業の採択と連結許可を取得した。本県で開催する21年度の第77回国民体育大会プレ大会までの供用開始が目標。

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