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栃木県塩谷町

塩谷町新庁舎、着工21、完成22年度に、概算事業費25億、本体22億試算、2階建てを検討

2019/11/20 日本工業経済新聞(栃木版)

 塩谷町の第6回庁舎整備基本計画策定委員会(委員長・佐藤栄治宇都宮大学准教授)が18日、道の駅湧水の郷しおやで開かれ、基本計画素案と答申書案を審議した。新庁舎は2階建てを基本に敷地北側への配置を検討。構造はRC造と木造を組み合わせた混構造をベースとして設計段階で決定する。概算事業費はこれまでの検討を踏まえて4200平方mの建物規模で25億3730万円(本体工事費22億1000万円)と算定。2021年度前半に庁舎建設工事に着工、22年秋頃の供用開始を目指すスケジュールを盛り込んだ。

 2階建ては内部動線の短縮や高原山の眺望などで有利。また、建物は敷地のやや西側に配置することで東側にまとまったスペースが創出され、将来的に公共施設の建設が可能な配置ができるとした。建物の周囲は駐車場。西側に2カ所進入路を設け、南側に広場などを設ける。

 概算事業費は本体工事費のほか外構工事に1億2750万円、進入路改良に1億円、現塩谷町役場の解体撤去費に9980万円。外構工事費は庁舎周囲の雨水排水施設や舗装を含めて試算。広場などの外構整備費や庁舎部分の盛土費用は別途算定する。

 整備スケジュールは基本計画決定後、今年度末までに基本設計に着手。20年度は前半に造成実施設計、後半から21年度前半にかけて実施設計や造成工事を推進。21年度前半から庁舎の建設工事や外構工事に着手し、22年秋頃の庁舎完成を目指す。

 基本計画素案では、新庁舎の構造は安全で使いやすい庁舎を目指し、利便性や機能性、耐久性、施工性、経済性などを考慮。耐震安全性は構造体を「Ⅱ類」、建築用非構造部材を「A類」、建築設備を「甲類」、耐用年数は65年以上として設計する。

 建設予定地は玉生中学校跡地。敷地面積は4万4287平方m。ゾーニング案では敷地内の高低差や既存広場の活用を考慮し、庁舎は敷地北側に配置。盛土などによって適切に建物レベルを設定するとした。

 答申書案では1階に窓口機能と町民利用機能を中心に設置。2階に議会や町民の利用が少ない執務室の配置を要望。構造については必要な耐震機能を確保した構造躯体を採用し、設計段階で十分検討した上で決定することを要求。地域産材の活用を推進する木造・木質化を可能な限り反映させて計画していくことを求めた。

 構造計画の素案では木造化した場合の①在来軸組構法②大断面集成材構法③混構造(RC造またはS造+木造)-の3種類の長所や短所を提示。その上で木造・木質化の方針としてRC造と木造を組み合わせた構造を基本とし、必要な耐火性や耐久性を確保。適材適所に木造を採用した木造・木質化を検討する。RC造とS造についてはコストバランスが高い方式を選定するとしている。

 基本計画素案と答申書案は28日の庁舎整備基本計画策定委員会で最終案が審議される予定。

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