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栃木県高根沢町

高根沢町、工事費2.8億に増額、旧東小校舎解体、新年度に

2019/11/29 日本工業経済新聞(栃木版)

 高根沢町は、旧東小学校校舎解体工事(太田715)を2020年度に先送りする。アスベスト除去費を含めた校舎解体費が膨らむことから、改めて当初予算案に工事費を計上する。跡地は当面の間、多目的グラウンドに活用する。解体工事に併せ、利用者用の水道設備とトイレを設置する。工事費は約2億8000万円を見込んでいる。

 町は今年度当初予算で解体工事費1億1000万円を計上。教室棟、特別教室棟、体育館、プール、付属小屋の解体を予定していた。解体設計を渡辺有規建築企画事務所(宇都宮市)に委託。調査の過程で校舎全体にアスベストの含有が判明した。

 8月上旬に条件付き一般競争入札を公告し、下旬に開札。町議会9月定例会で工事請負契約締結の承認を求め、今年度末には解体撤去を終える計画だった。アスベスト除去費で約1億6000万円が不足するため、9月議会で工事請負費を全額減額補正している。

 1971年4月に完成したRC造3階建て延べ2557平方mの教室棟、82年3月に完成したRC造3階建て延べ1281平方mの特別教室棟、78年12月に完成したS造2階建て延べ814平方mの体育館、75年7月に完成したプール棟が建ち並ぶ。

 旧東小は1971年1月、東部地区4校(中央小、桑窪小、柏崎小、台新田小)の統合で創立。校舎は老朽化が著しく、良好な教育環境が確保されていない状況だった。検討の結果、義務教育課程9年間を通じて一貫教育を推進できる校舎が望ましいと結論付けた。

 町は北高根沢中(太田753)に近接する市街化調整区域9214平方m(太田752)を取得。新校舎はRC造2階建て延べ2600平方m(校舎棟、特別教室棟)。渡り廊下で小学校校舎と北高根沢中校舎を結び、多目的スペースや地域開放スペースを保有する。

 2018年8月から小中一貫校に生まれ変わった。町は地域住民らと東小跡地利用懇談会を設置し、活用方法を協議してきた。本格的な多目的グラウンドや公園の整備には最低でも5億円以上の事業費がかかるため、地域開放型グラウンドに活用する。

 跡地面積は2万4113平方m。町域のほぼ中央部に位置し、宝積寺方面から道の駅元気あっぷむらにアクセスする町道沿いに面している。庁内調整の結果、当面は様々なスポーツへの活用が妥当と判断した。跡地は普通財産に所管を替え、総務課が管理する。

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