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千葉県君津市

あり方検討委が初会合/君津市本庁舎再整備/整備の方向性まとめる

2019/12/04 日刊建設タイムズ

 君津市は3日、「君津市本庁舎再整備のあり方検討委員会」の第1回を市役所会議室で開催した。委員会では▽これまでの検討経緯▽本庁舎の現状と課題▽本庁舎整備の必要性▽概略スケジュール――について議論を進めた。今後、2016年度に検討した各案について再検証を行い、メリット、デメリットを整理するとともに、新たな視点から検討を行い、庁舎整備の方向性をまとめる。

 概略スケジュールについては、来年度に基本理念をまとめ、21年度から2か年で基本構想を策定し、23年度から基本計画の策定に着手する予定となっている。市は委員の意見などを基に柔軟に対応していく方針。

 委員は学識経験者2人と庁内の各課長8人の計10人で組織。委員長には千葉大学大学院教授の柳澤要氏が就任した。また、「本庁舎再整備のあり方検討支援業務」を受注しているパシフィックコンサルタンツが参加する。

 同委員会は、17年3月に本庁舎再整備検討委員会が策定した「本庁舎整備に関する報告書」で示す本庁舎再整備案などについて、専門的視点から改めて精査し、本庁舎再整備のあり方や防災拠点の方針・あり方について検討することを目的に設置。本庁舎の現状と課題を整理するとともに、防災拠点に求められる機能やこれまでの検討により提案された5つの庁舎再整備案について再検証を行う。

 次回の第2回委員会で防災拠点について整理し、来年1月の第3回委員会で耐震補強及び大規模改修の可能性を検討。その後、2月下旬の第4回委員会で庁舎再整備案の比較検証を行う予定。

 同市は、防災拠点の重要性から11年度に「君津市本庁舎耐震化検討委員会」を設置し、▽一般官庁施設化案▽耐震補強案▽(仮称)危機管理センター増築案▽防災拠点機能一部移転案▽建て替え案――の5案を作成。比較検討を行い、多数の賛成を得た「耐震補強案」を市長に報告した。しかしその後、学校の耐震化を優先するため事業を一時凍結した。

 16年度には「君津市本庁舎再整備検討委員会」を設置し、5案について再検討を実施した。その結果、本庁舎の整備の考え方として、現庁舎は一般官庁施設として耐震改修を行い、防災拠点とする「(仮称)危機管理センター」の新設を検討することとした。

 会議では、市が抱える問題として少子高齢化や人口減少などがあり、市役所の規模適正化を図るために、複合化や官民連携も視野に入れた検討を進めることも必要とした。

 市役所庁舎は1974年に着工、76年までの3か年で建設し、76年7月に竣工した。建物規模はSRC造地下1階地上11階建て延べ2万4㎡。車庫、倉庫約532㎡を併設。敷地面積は2万8101・86㎡。

 庁舎は一般官庁施設としての耐震基準は満たしているが、防災拠点としての基準は満たしていない状況にある。

 会議では小礒勇二総務部長があいさつし「庁内で再整備検討委員会を組織し、その報告が2017年3月に出されている。委員会では、市役所整備のあり方について、それぞれの立場から検討結果の妥当性の検証だけでなく、新たな視点から議論していただき、方向性をまとめてもらいたい」と述べた。

現在の市役所本庁舎

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