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栃木県環境森林部

県環境森林部12月補正、小薙左沢、滝ヶ花など治山24カ所、自然公園は5市町6施設

2019/12/07 日本工業経済新聞(栃木版)

 県環境森林部は、台風19号に対応する12月補正予算(追加分)に復旧費を計上した治山事業と自然公園等施設整備事業の実施概要を示した。治山は国庫補助事業で男体山南側斜面の小薙左沢第1支渓(日光市)と滝ヶ花(鹿沼市)の2カ所を復旧し、県単独事業で大道沢(大田原市)、古内沢(佐野市)など22カ所を復旧。自然公園等施設は戦場ヶ原周回線歩道(日光市)など6か所の回復を図る。国庫補助事業は年度内に設計を委託。県単の治山事業や自然公園等施設整備事業は年度内に工事を発注していく。

 補正予算では治山の国庫補助事業に1億4000万円、県単独事業に1億6430万円、自然公園等施設の復旧事業費に2160万円を計上した。

 治山事業を実施するのは台風に伴う大雨によって崩壊したり渓流の荒廃が進んだ個所。いずれも人家や道路、公共施設などに被害を与える恐れがあり、緊急に復旧工事を行って地域の安全を確保する。滝ヶ花では山腹工、小薙左沢第1支渓では渓間工の施工を計画している。

 国庫補助対象個所は事業規模が大きく、滝ヶ花は今年度から2カ年、小薙左沢第1支渓も複数年で対策を完了させる予定。国の補正予算に呼応して年度内に測量設計を委託。工事は準備が整い次第発注していく。

 県単事業は佐野市、鹿沼市、大田原市、宇都宮市、足利市、栃木市、日光市、那須町、那珂川町の7市2町で実施。測量設計は各事務所が直営で実施する予定。

 主な個所は佐野市の古内沢、鹿沼市の山ノ房、柳沢、那珂川町の荒沢で山腹工、大田原市の大道沢で渓間工を計画している。

 自然公園施設は戦場ヶ原周回線歩道、鬼怒川鶏頂山線歩道(日光市)のほか、大沼園地(那須塩原市)、三斗小屋温泉峰の茶屋線歩道(那須町)、首都圏自然歩道の山なみのみち(足利市)、マンサクの花咲くみち(佐野市)を復旧。

 戦場ヶ原周回線歩道は湯川沿いで昨年に被災し、単管パイプで仮設復旧の措置を講じていた個所が被災。仮設施設の撤去工を実施する。復旧方法は環境省と調整を進めている。

 鬼怒川鶏頂山線歩道は倒木により被災した歩道部を手摺りなどとともに復旧。大沼園地は増水で被災した木道を復旧する。三斗小屋温泉峰の茶屋線歩道は強風でずれた避難小屋を元の位置に戻す。山なみのみち、マンサクの花咲くみちは洗掘個所の埋め戻しなどを実施する予定。

 自然公園施設の設計は直営で、年度内に工事を発注。このほかの被災した施設については来年度当初予算に工事費を計上し、施設の復旧と利用者の安全を確保していく方針。

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