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栃木県壬生町

六美町北部都市計画変更案、6.5haにコストコ誘致、小菅壬生町長、来夏に都市計画変更、基盤整備着工へ

2019/12/11 日本工業経済新聞(栃木版)

 壬生町の小菅一弥町長は10日の町議会12月定例会一般質問で、組合施行の六美町北部土地区画整理事業(壬生丁、安塚、約49・5ha)へのコストコ誘致に積極的に取り組む姿勢を示した。小菅町長は①事業費の原資となる保留地処分金の早期確保は組合の安定的な事業経営に不可欠であり、町にとっても優良企業の進出は大きな経済波及効果をもたらす②周辺道路の交通渋滞はオープン当初の一過性のものであり、交通量の解析は本事業で担保される③早期の事業効果発現のため、仮換地指定に必要な設計や土地評価補償算定調査に着手している-と述べた。

 権利者でもある遠藤恭子町議(清友会)は3月31日の第1回総会を経て六美町北部土地区画整理事業は実質的にスタートした。コストコ立地を期待する声とともに、周辺の交通渋滞が懸念される。事業資金確保、周辺道路への影響、事業進捗状況の説明を求めた。

 小菅町長はコストコ誘致が町の雇用創出に貢献するほか、災害協定を締結することを考えている。食料や飲料を数多く保有するコストコと災害協定を結び、有事の際の飲食料品を安定供給したい。組合事業を町が継続的に支援し、町民の期待に応えると答弁した。

 町は現在、コストコ誘致に関連する都市計画案の変更手続き中。都市計画道路3・3・901号おもちゃのまち下古山線(主要地方道羽生田上蒲生線)沿道のE地区約6・5haを業務地区に、C地区約2・9haを沿道利用地区に設定し直す。地区計画と用途地域を変更する。

 いずれも町計画決定案件。コストコ誘致を視野に、特定大規模建築物の立地可能な条件を整える。E地区には会員制倉庫型店舗を展開するコストコ、C地区にはホームセンターチェーンが進出予定。来春の町都市計画審議会に諮り、来夏には都市計画決定の見通し。

 羽生田上蒲生線は、町東西の骨格となる重要な幹線道路。地区計画変更では、沿道を町のにぎわいに資する土地利用や周辺住宅地の利便性を高める生活利便施設を誘導する。おもちゃ団地と隣接するだけに、既存の工場や業務系施設と住宅地との混在を防ぐ。

 用途地域はE地区約6・5haを準工業地域に変更。変更前の第1種低層住居専用地域約5haと第2種住居地域約1・5haを見直した。C地区約2・9haのうち、約1・4haを第1種低層住居専用地域から第2種住居地域に改める。一帯は市街化区域に編入済み。

 都市計画道路3・4・8号六美吾妻線(幅員16・5~19・5m)が地区内の南北主要幹線。おもちゃのまち地区と施行地区を一体化する環状道路は3・5・903号六美西通りと3・5・904号六美東通りの2路線があり、ともに幅員は12~17m。

 区画道路は幅員6mを基本に、土地利用や交通体系を考慮のうえで適宜配置。公園面積は地区面積の3%以上を確保し、外周はフェンスや植栽で覆う。南西部街区公園付近に水路を築造する。公共減歩率は24・62%、保留地合算減歩率は48・97%。

 道路11万3218・64平方m(22・88%)、調整池2カ所1万5507平方m(3・13%)、公園7カ所1万4984平方m(3・03%)、水路2544・47平方m(0・51%)、緑地423平方m(0・09%)の計14万6677・11平方m(29・64%)を整備する。

 六美町北部土地区画整理組合(石島松夫理事長)が事業に着手。事業期間は19年度から28年度までの10年間。総事業費は76億2600万円を見込んでいる。16年3月には業務代行型1社、保留地購入型2社の事業協力予定者が選定されている。

 東武鉄道宇都宮線東側のおもちゃのまち駅と国谷駅のほぼ中間となる1・5㎞の範囲内に位置。地区中央には睦小学校が立地。西側は東武線が南北方向に運行する。北側は羽生田上蒲生線が横断、東側は下野市との行政境、南側は北関東自動車道が横断している。

 六美町北部地区は、北関東道の壬生ICと2022年度末の完成を目指す下野スマートICのほぼ中間に位置する。周辺交通網が充実し、さらなる利便性向上が見込まれる。住環境との調和を保ちつつ、産業活動の増進を図るのが目的。コストコ候補地は地区東部。

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