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道祖神峠トンネル化/基礎的な調査実施/国の権限代行は厳しい

2019/12/17 日本工業経済新聞(茨城版)

 つくば、笠間、大子地区を結ぶ(仮)茨城縦貫幹線道路の整備構想で、石岡市と笠間市を結ぶ県道笠間つくば線にある道祖神峠のトンネル化事業について、県議会一般質問(9日)で村上典男議員(いばらき自民党)が進捗状況を質した。答弁で伊藤高土木部長は「既存の道路ネットワークにおける道路構造や地形、地質上の課題の抽出、地域における開発計画の動向把握等を目的とした基礎的な調査を行っている」と説明した。

 村上議員は、道祖神峠にトンネルを整備する場合、事業手法の一つとして国による権限代行もあるのではと質問。

 伊藤土木部長は権限代行について「採択要件として国の事務の遂行に支障がない範囲内であること、高度な技術を要する工事などに限られることから、一般的には活用は厳しいものと考えている」と応じた。

 さらに「直轄権限代行も含め、どのような事業手法を用いるにしても、トンネル整備の必要性の検証は必要になる」と説明。そのため「交通需要や多額の事業費、維持管理費などの課題の検討を引き続き行い、事業の実現に向けては地域振興に向けた地元の力強い取り組みが必要不可欠であり、関係市と協議、検討してまいりたい」と答弁した。

 茨城縦貫幹線道路は、2018年度からの県総合計画で、つくばから笠間、大子方面へ向かう道路として構想が位置付けられている。

 構想の実現効果として県では、つくばエクスプレス沿線地域の開発効果を県央や県北地域に波及させることができることや、筑波山や県フラワーパーク、笠間芸術の森公園などの観光拠点のネットワークが形成され、圏央道や北関道沿線地域との広域的な交流促進が期待されると見ている。

 県ではこれまで、つくばと笠間、大子を結ぶ路線として、南北を結ぶ県道石岡つくば線の朝日峠トンネル化や国道355号バイパスの整備などを進めた。

 これらを踏まえ伊藤土木部長は答弁で「こうした道路整備の効果を踏まえた将来の道路ネットワークの在り方や、早期に整備効果が発現できる整備方針等を検討するため、既存の道路ネットワークにおける道路構造や地形、地質上の課題の抽出、地域における開発計画の動向把握等を目的とした基礎的な調査を行っている」と説明した。

 なお道祖神峠のトンネル化の推進については、本年9月の県議会一般質問で谷島洋司議員(いばらき自民党)も質している。

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