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山梨県甲州市

塩山駅-於曽公園間のアクセス路 早期事業化目指す 甲州市

2020/01/17 山梨建設新聞

 甲州市はJR塩山駅から於曽公園(塩山下於曽地内)付近までを結ぶ都市計画道路の整備を計画している。市が掲げる駅周辺の歴史的資産を活用した、にぎわいづくりに向け、アクセスルートとなる道路を整備。現在進めている駅前再整備が完了する2022年度以降、早期事業化を目指す。

 市は同駅を中心に周辺にある甘草屋敷や曽根屋敷・公園を含む地域を「歴まち区域」と位置づける。国の認定を受けた「甲州市歴史的風致維持向上計画」に基づき設定したもので、駅前の再整備と併せ周辺を一体的なイメージで整備しなおし、歴史的資産の保全と街の活性化を図る。周辺を南北につなぐ都市計画道路は歴史的資産へのアクセスルートになるもので、駅前整備と併せ早期事業化を目指している。

 市都市整備課によると、この付近の都市計画道路は都市計画決定後、長年手つかずの状態だったという。このため市は本年度、社会情勢や周辺環境の変化を踏まえた計画の見直しを進めている。まずは曽根公園までの約250m区間を先行して整備する考えで、現況調査をアミノ測量(同市)に依頼した。市は一連の整備を官民連携で行う方針で「曽根公園やその周辺で民間と協力して何か面白いことができないか考えている」(同課)という。

 都市計画道路が於曽公園周辺に整備されれば、市の長年の懸案となっている公園東側の地域の開発についても可能性が広がる。駅から徒歩3~5分圏内にあり八王子など東京方面へのアクセスに好立地だが畑が点在しており、耕作放棄地もある。市は現在改訂作業中の「甲州市まちづくりの基本方針」にも、あらためて宅地化の方針を盛り込み積極的に取り組む姿勢だ。

 市は公園周辺と駅、さらに東側を走る国道411号への幹線道路を通したうえで、民間事業者らの協力を得て開発を進めたい考え。市担当者は「最近は跡取りがおらず、土地を活用してもいいという地権者もいるという話を聞く」と話し、地元の状況を注視しながら開発のタイミングや手法を慎重に検討していく。

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