牛久市文化芸術課は来年度、同市にゆかりのある作家、住井すゑの記念館整備工事を発注する計画。現在、㈲大野建築設計事務所(土浦市)が実施設計を策定しており、3月末までに納品する。新年度早期に工事を一般競争入札で発注し、2021年度中に開館する予定。工事費は1億5000万円以上となる見込み。
市は18年1月に、遺族から土地と建物一式について寄贈を受けた。遺族からの要望もあり、自筆原稿などを展示する記念館に改修することとなった。
建物は城中町77に立地。住宅(1977年築、W造2階建て、延べ256・61㎡)、書斎(70年ごろ建築、W造平屋、95・22㎡)、勉強会を開いていた「抱樸舎(ほうぼくしゃ)」(81年築、W造平屋、101・7㎡)の3棟。
このうち住宅については、当初は休憩所や地域交流スペースとして活用する計画だったが、2018年度に大野建築設計事務所が行った基本調査で、虫食いなどの損傷が激しく、改修に膨大なコストがかかることが判明したため、大きな改修はせず、一般開放をしない方針。
書斎については、基礎部分の補強などにとどめ、執筆した当時の空間を可能な限り生かし、原稿や万年筆などを展示する場とする。
抱樸舎は、ミニコンサートや学習会などを開く多目的ホールとする。隣接の物置は解体し、そこにトイレを建築する。
外構は、西側に広がる牛久沼の景観を生かすように整備。駐車場は北側の空き家を取り壊して8台分ほど造る。そのほか調整池も設置する。
【①展示室とする書斎棟②抱樸舎(左側)と物置】