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事前辞退届を運用/入札手続き長期化を防止/4月から

2020/02/05 長野建設新聞

 県は低入札価格調査の辞退に伴う入札手続きの長期化を解消するため、調査対象となった場合に辞退する意向をあらかじめ表明してもらう「事前辞退届」を運用する。現行は年3回以上の辞退で入札参加制限(委託業務は2020年度から実施)となるが、事前辞退届を提出した案件での辞退は回数に数えない。実施は20年4月の公告案件から。

 この入札手続きの見直しは1月31日に開かれた県契約審議会で説明された。建設工事における低入札価格調査は18年度から開始。基準となる価格は受注希望型競争入札の場合「予定価格の90%相当額」、総合評価落札方式は「予定価格の90~92.5%の変動制」とし、基準価格未満で落札した場合には調査書類の提出や技術者の増員または専任配置を求めている。18年度の該当件数は101件(発生率6.1%)で、このうち辞退が発生したのは10件(同9.9%)。19年度は11月末時点で61件(同4.9%)が該当となり、うち9件(同14.8%)で辞退が発生している。

 一方、委託業務は19年度から制度を運用。基準価格は受注希望型競争入札の場合「予定価格の87.5%相当額」、総合評価落札方式は「予定価格の87.5~90%の変動制」とし、基準価格未満で落札した場合には調査書類の提出、技術者の専任配置、第三者照査の実施を求めている。11月末現在の該当件数は47件(発生率4.0%)で、このうち8割を超える38件で辞退が発生している。

 辞退に伴う受発注者双方の事務負担の増大や入札手続きの長期化といった課題が生じていることから、辞退の意向をあらかじめ確認することで事務負担を軽減するとともに入札手続きの長期化を防ぐ。

 事前辞退届は入札書と併せて提出してもらい、提出者が低入札価格調査の対象となった場合には無効(失格)として扱う。事前辞退の回数に制限はなく、届による辞退は入札参加制限の対象件数には含めない。

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