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栃木県小山市

小山市保育所整備計画案、若木保育園を民営化、新年度に洗心会が園舎建設

2020/02/14 日本工業経済新聞(栃木版)

 小山市は、第3次保育所整備計画の素案をまとめた。2021年度に若木保育園を民設民営化するほか、公設民営の駅東駅前保育園(仮称)を新設する。若木保育園には建設費の一部1億9267万4000円を補助する。22年度は民設民営の大谷地区保育園(仮称)を新設し、23年度に桑保育所を統合または民営化する。24年度は中久喜保育所を民営化、25年度はもみじ保育所の民営化が目標。

 計画期間は20年度から24年度までの5年間。施設数は公立保育所10カ所、民間保育園24カ所の計34カ所。公立の割合は29%にとどまり、他市に比べ民間の数が多い。認定こども園12カ所、幼稚園が6カ所あり、幼稚園の認定こども園化が進んでいる。

 民設民営化する若木保育園は公募の結果、整備運営法人に社会福祉法人「洗心会」(小山市、大木元理事長)が選定された。移転新築用地は若木町1丁目の小山警察署跡地3575・27平方m。洗心会が市有地を購入し、20年度に定員90人の新園舎を建設する。

 公設民営の駅東駅前保育園は、運営法人の募集を開始した。駅東通り1丁目第1地区市街地整備事業で建設中の再開発ビル「小山イーストクロス」1~2階の650・97平方mに新設する。定員45人、0~3歳児を受け入れる。4月に事業者を決定する。

 保育施設の新増設は民設民営を基本に据え、公立施設は一層の民営化を推し進める。民間施設には習い事や送迎の付加的なサービスを期待する声があり、機動性に勝る民間活力を生かし、可能な限り多様な保育メニューに柔軟に対応してもらう。

 一方で公立施設は個別支援が必要な子どもや養育に不安を感じている家庭に対し、発達支援や関係機関との連携による援助の役割が求められる。これまで地域の人権教育、民間施設の助言指導といった一定の役割を果たしており、一部は拠点施設に存続させる。

 小山地区は中心市街地の人口減少や高齢化が進む一方、駅周辺の再開発が進展。東城南周辺は人口が集積し、保育ニーズの増加が見込まれる。保育定員の拡大が必要であり、公立3施設(やはた、若木、城北)のうち若木の民営化が決定している。

 大谷地区は駅東側の市街地活性化に伴い犬塚周辺に人口が集積し、神鳥谷南では都市基盤整備が進んで人口が増加。公立は中久喜のみで、出井に統合整備する方針。保育ニーズの大幅な増加が見込まれ、保育量確保の観点から保育施設の新設が必要。

 間々田地区は美しが丘や周辺で人口が集積し、児童数に対する保育施設の定員枠が少ない状況。公立3施設(もみじ、間々田北、網戸)のうち、もみじは間々田北に統合整備する方針。保育定員を確保する必要があり、施設整備が待たれている。

 美田地区には公立施設が設置されておらず、地域拠点となる民間施設、保護者の通勤途上に立地する近隣施設を利用している児童が多いと推察。大幅な保育ニーズの増加は見込まれないことから、引き続き民間施設を中心に近隣の保育施設を有効活用していく。

 桑・絹地区は他地区と比べ就学前児童数に対する施設の定員枠が多い状況。ただし0~2歳児に関しては不足している。公立3施設(桑、出井、絹)のうち桑を出井に統合整備する方針。市全体の必要な保育量を勘案した結果、新たな施設整備が急がれる。

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