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県フラワーパーク・石岡市ふれあいの森が20億超投じ大規模リニューアル

2020/03/05 日本工業経済新聞(茨城版)

 県と石岡市はこのほど、フラワーパークおよび隣接のふれあいの森の大規模リニューアル事業についての会見を行った。県フラワーパークでは新年度、実施設計やレストラン新築工事、エントランスギャラリー(入園ゲート)新築工事、インフォメーションセンター整備工事、マーケットプレイス(物販施設)の整備工事、ランドスケープ(造園)一式工事を計画。予算額は合計18億円。市ふれあいの森には、3億6240万7000円を予算化し、実施設計、宿泊施設(ロッジ)およびグランピングサイト整備工事、事務所改築工事、農産物直売所の改修工事などを発注する。工事に伴って6月22日から休園し、いずれの施設も来年の大型連休前の4月下旬ごろのオープンを予定している。


 フラワーパーク(石岡市下青柳200)は、1985年のつくば万博にあわせて開園した花と緑の公園。敷地面積は12ha。石岡市産業文化事業団と㈱パーク・コーポレーション(東京都港区)で構成する「茨城県フラワーパーク指定管理業務共同事業体」が管理者となっている。

 県は同園を、茨城の魅力を再発見・再発信できる観光拠点として一新するため、大規模リニューアルを計画。

 コンセプトは〝「見るから感じる」フラワーパーク〟。①見る(四季で変化するバラテラス、花の色別に分けたエリア)②聴く(花・草・木のざわめき、小鳥のさえずり、風の音)③香る(360度バラの香りに包まれるエリア)④触る(ワークショップの充実)⑤味わう(レストラン新設)-。

 2019年度には基本設計を㈱ジャイロアーキテクツ(東京都渋谷区)に委託したほか、展示栽培温室からワークショップ施設への改修工事を双葉建装㈱(石岡市)が、既存フラワードームの解体工事を小桜建設㈱(同市)が年度内の工期で施工している。

 20年度はまず実施設計を策定し、フラワードーム跡地にレストラン(S造およびW造、平屋、約750㎡)を新築する。また、県産石材を使ったエントランスギャラリー(RC造平屋)も新設する。

 ほかに、既存のレストラン「ローズ」(1992年築、RC造平屋、391㎡)を改修してインフォメーションセンターとする工事や、現在の来園者センター(85年築、RC造2階建て、延べ807㎡)を出口付きの物販施設に改修する工事も実施する。

 さらに、ランドスケープ一式工事として造園工事も別途発注する。

 一方の石岡市ふれあいの森は、フラワーパークに併設する自然公園。指定管理者は石岡市産業文化事業団。敷地面積は18haで、スポーツスライド(延長800mのすべり台)やフラワーサイクル(空中自転車)などの遊具を備える。フラワーパークと併せて滞在型観光施設に刷新する。

 パーク・コーポレーションがまとめた魅力向上計画によると、コンセプトは「やさとの森に暮らす ~人生を変える里山の体験」。人と自然が共生する持続可能な暮らしを体験できる施設を目指す。

 エリアは①森の入り口ゾーン②森の小道ゾーン③森の暮らしゾーン④森の探検ゾーン-の4つに分けられる。

 主な改修内容は、森の入り口ゾーンでは既存事務所の解体工事と新事務所の建築工事、フラワーサイクル下の売店の解体工事と多目的施設の新築工事を行う。予算額は約6700万円。

 森の小道ゾーンでは、園路やすべり台の修繕などに約4200万円を措置。

 森の暮らしゾーンには約2億200万円を計上。現在の休憩所とトイレを解体し、円形の宿泊施設とグランピングサイト10基を新設する。

 宿泊施設は県産材を使ったW造平屋で、客室(10室)、管理室、炊事場などを配置。屋上はデッキとし、中央の広場ではキャンプファイヤーや野外ライブなどを行う。

 そのほか、フラワーパークの駐車場に隣接する農産物直売所の温室部分を食堂に増改築するため、約5000万円を配分。

 さらに駐車場の増設に向けての実施設計に240万円を充当。工事費は市の補正予算で対応する見込み。

 4月にも宿泊施設の建築に向けた測量(132万円)や実施設計(約1600万円)を発注し、設計が終わったものから切れ目なく解体や新築などの工事を発注していく見通し。

 なお、メインの宿泊施設の工事(約1億5000万円)は8月に入札を行い、9月から来年3月まで施工する考え。


【①フラワーパークのエントランスキ゛ャラリー②ふれあいの森の宿泊施設イメージパース③ふれあいの森ソ゛ーニンク゛】

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