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栃木県壬生町

壬生町新庁舎、近く一般競争を公告、総工費36億 5月に落札者決定

2020/03/18 日本工業経済新聞(栃木版)

 壬生町は近く、新庁舎建設事業(壬生甲3841-1)の総合評価落札方式の条件付き一般競争入札を公告する。RC造3階建て延べ約6530平方mの新庁舎、RC造2階建て延べ約935平方mの付属棟の2棟で構成。新庁舎に役場機能を集約し、付属棟は防災センターや公用車庫が入る。5月には落札者を決定し、町議会で工事請負契約締結承認後に着工する。2019年度補正予算で継続費を38億2794万9000円に増額変更した。21年度の完成を目指す。

 資金計画は庁舎建設工事35億7368万1000円(20年度9億8385万4000円、21年度25億8982万7000円)、外構工事1億4000万円(21年度)、付帯設備・備品1億7000万円(21年度)、設計監理1億6497万3000円。

 総事業費41億2321万2000円の財源は市町村役場機能緊急保全事業債32億2910万円、庁舎建設基金5億631万2000円、緊急防災・減災事業債3億3110万円で賄う。うち19年度分の設計費、雨水排水施設工事、外構工事は支出確定済み。

 1級河川黒川の浸水想定区域内に立地する老朽化した現庁舎(通町)を総合運動場の一角2万2197平方mに移転新築する。基本・実施設計は梓設計(東京都品川区)の担当。低層構造とし、平地林景観と調和する緑園都市を象徴する庁舎となる。

 建築面積は庁舎約4000平方m、付属棟約740平方m。最高の高さは庁舎約16・5m、付属棟約9m。耐震安全性分類は構造体Ⅰ種、建築構造部材A類、建築設備甲類の耐火建築物。無柱化のロングスパン構造を採用、入り口から全体が一望できる。

 利用頻度の高い窓口部門を1階に配置し、上下移動せず各種手続きが完結。間仕切りがなく、組織改編の際は人と資料の移動だけで済む。庁議室兼災害対策本部は町長室や副町長室と同じ2階に設け、防災関連部署と連携。議会は3階に置き、独立性を確保する。

 窓口エリアは1・5層のゆとりある階高の平屋で、6m程度の天井高。庁舎のエントランスにふさわしい明るく開放的なイメージとなり、見通しが良く職員も働きやすい。その他のエリアは一般的な階高の3層とし、合理的な断面構成に努める。

 議場の天井高は6mとし、議場の重厚感を演出する十分な室容積。最上階に設置したことで、2層分の階高が難なく確保できる。一方では開かれたイメージの議会フロアに配慮し、来庁者が気軽に訪れやすい町民ロビーや展望デッキを設ける。

 大空間の執務室空調は床吹き出しとし、天井仕上げ材や設備の落下を防止。エレベーターはストレッチャーが入る規格とする。各階には多機能トイレを備え、バリアフリー仕様とする。プライバシーを守る相談室、町民の利用しやすい場所にベビーステーションを配す。

 建物は上層部をセットバックとし、周囲への圧迫感を抑える。メリハリに富んだ外装、エネルギー消費の軽減を図る。庁舎北東部の多目的広場との関係性を含め、敷地東側を南北方向に縦断する主要地方道宇都宮栃木線(栃木街道)への顔づくりが実現する。

 付属棟は西側道路に最も近い場所に防災センターを計画し、災害時に迅速に対応する。車庫は建設課のトラックの出入りがスムーズな高さとなり、中型バスが収容できる。建設課車庫近くに作業スペースを確保し、有事の際は復旧資材を作製する。

 駐車場4939・5平方m(来庁者用132台、公用車用41台)、オープンスペース1万2015・9平方m(広場、駐車場、その他)、道路4187・5平方m。広場は各種イベント、災害対策活動や救済スペースに活用できるよう8240・6平方mを確保する。

 敷地北側の1級町道3号線は延長185m、幅員14~17m、西側に接する町道3-551号線は延長105m、幅員10・5mに改良。雨水は地下式調整池を設け、流末は農業用幹線排水路の恵川を経て約1㎞下流の1級河川黒川に合流する。

 建設地は東武鉄道宇都宮線国谷駅から南西へ約1・2㎞、北関東自動車道壬生ICから南へ約2・7㎞に位置。栃木街道に接し、交通条件に恵まれている。町の人口重心点からの距離が約1・4㎞と近い。町民の命を守る防災拠点機能を十分に果たす。

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