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内水対策変更を承認/5年間で機場増設や堤防嵩上げ/浅川協議会

2020/03/25 長野建設新聞

 浅川総合対策協議会(会長=長谷川朋弘・県建設部長)は23日、令和元年東日本台風災害を踏まえた浅川総合内水対策計画の変更案を承認した。今後5年間で実施する事項として、浅川排水機場のポンプ増設、千曲川合流点から上流1500m区間の堤防かさ上げ、商業施設「マツヤショッピングモール」周辺への二線堤の整備を盛り込んだ。

 浅川排水機場のポンプ増設では、千曲川合流点の左岸に7m3/sの能力を有する排水機場を増設。整備後の排水能力は65m3/sとなる。

 長野市が管理する浅川第1排水機場は、東日本台風災害で水没し機器類全てが機能を喪失したため、災害復旧事業により機能回復を図るとともに、機場のかさ上げなどによる浸水防止対策を行う。事業は県が市から受託し実施。ポンプ製作据付工事と排水機場下部工事は4月にも公告の予定。

 堤防のかさ上げでは、千曲川上流0.2㎞~1.7㎞区間の右岸、延長1500mにわたり堤防を0.15~0.95mかさ上げする。二線堤はマツヤショッピングモールをコの字に囲う形で、延長250m、高さ0.1~0.5mの規模で設置する。

 事業主体は排水機場の整備が県と長野市、堤防かさ上げと二線堤防が県。3項目は信濃川水系緊急治水対策プロジェクトに位置付け、2020~24年度までのおおむね5年間で実施する。全対策実施後のシミュレーション結果によると、東日本台風と同規模の洪水に対し、宅地部での浸水被害は発生しない。


■長沼雨水調整池新設も検討

 本計画ではこのほか、29年度までの10年間に取り組む流域対策として、長沼地区への雨水調整池の新設を検討。学校校庭や公共施設地下への雨水貯留施設の設置は、リハビリテーションセンター、障がい福祉センター、長野高校浅川グラウンド、長野吉田高校で検討する。

 さらに、大雨時に長沼第二幹線排水路から駒沢川への排水を行うことにより、幹線排水路と浅川合流点での浸水被害を軽減するよう、運用方法を検討する。

 ため池を活用した雨水貯留も推進。既存ため池の洪水吐の一部にスリット(切り欠き)を設けることで、洪水調節機能を向上させる。

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