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【国土調査事業】全国の地籍調査進捗率を29年度で57%に

2020/05/12 本社配信

 国土交通省が策定を進める第7次国土調査事業十箇年計画案は、有識者審議会での議論を踏まえて5月下旬の閣議決定を目指している。新計画では地籍調査の優先実施地域を中心に地籍の明確化を促進し、迅速・効率的な調査を行うことで地籍調査対象地域全体での進捗率を2019年度末の52%から29年度末に57%へ引き上げる。特に人口集中地区では26%から36%に、人口集中地区以外の地域のうち林地では45%から52%にすることを目標に掲げる。

 また、優先実施地域での進捗率は全国で79%から87%とし、特に人口集中地区は33%から46%、人口集中地区以外の地域の林地では78%から88%を目標とする。

 20年度からの10年間で実施すべき地籍調査の面積は1万5000平方キロメートル、国の機関が地籍調査の基礎とするために行う基本調査の面積は450平方キロメートルと定める。

 調査を迅速・効率的に実施するための措置では、所有者探索のための固定資産課税台帳等の情報の利用、筆界案の公告による調査、地方自治体による筆界特定の申請など、所有者不明等の場合でも調査を進められるような新たな調査手続きを活用する。さらに都市部における官民境界の先行的な調査(街区境界調査)、山村部におけるリモートセンシングデータの活用など、地域の特性や技術の進展に応じた効率的な調査手法の導入について、関係省庁で連携を図りつつ促進する。

 新たな調査手続きや効率的な調査手法の導入促進に当たっては、地籍調査に関する助言を行う有識者等の自治体への派遣、基本調査の実施による効率的な調査手法の実施事例の蓄積と普及などを通じて、継続的な自治体等の支援に取り組む。

 他にも民間事業者、公物管理者等の測量成果も活用した地籍整備の推進を図るため、国土調査以外の測量・調査の結果について国土調査と同等以上の精度や正確さを有するものとして指定する制度の活用促進、街区を形成する道路の管理者等とのさらなる連携も図る。

 なお、地籍調査が未着手または休止中の市町村については、それぞれの地域の実情を踏まえた対策を講じることで解消を目指す。

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