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橋梁詳細設計委託へ/本線橋396mや副道橋など/塩田町誉田町線塩田町地区/千葉市

2020/05/19 日刊建設タイムズ

 千葉市は18日、都市計画道路塩田町誉田町線(塩田町地区)橋梁詳細設計業務委託(2-1)の制限付き一般競争入札を公告した。未整備の塩田町区間の構造を掘割式から嵩上式(橋梁)に変更したのを受け、本線橋1橋及び副道橋2橋、横断歩道橋1橋の詳細設計を委託する。5月22日まで入札参加申請を受け付けた後、同26日から6月2日までを入札期間とし、6月3日に開札する。委託期間は2021年3月19日まで。

 入札参加資格要件は、千葉市内に本店、支店または営業所等を有する者。同市入札参加資格者名簿の土木関係建設コンサルタントに登録されている者。国土交通省の建設コンサルタント鋼構造及びコンクリート部門に登録を有する者。過去15年間に完成し引き渡しの済んだ、多径間連続桁の跨線橋の築造に係る実施設計を元請として履行した実績を有する者等。

 塩田町誉田町線は、中央区塩田町を起点、緑区誉田町3丁目を終点とする総延長約8360m、4車線、幅員25mの都市計画道路。すでに千葉東南部団地区間から京葉道路・国道16号までの約6kmは供用済み。

 国道357号、新港横戸町線、京葉道路・国道16号とともに、地域高規格道路「千葉中環状道路」の一部を構成する塩田町誉田町線の国道16号から国道357号までの未整備区間、延長約780m(中央区塩田町、生実町)を整備することで、千葉中環状道路が概成するほか、緊急輸送道路である京葉道路(蘇我IC)・国道16号と国道357号が塩田町で連絡することにより、道路の多重性・代替性を確保できる。

 本線橋は、上部工を鋼10径間連続鈑桁橋、下部工を逆T式橋台及びラーメン式(基礎は場所打ち杭φ1000)、橋長396m、有効幅員14・5m(7・25m+7・25m)で計画。また、副道橋は、上部工を5径間連続プレビーム合成桁橋、下部工を逆T式橋台及び張り出し式橋脚(基礎は場所打ち杭φ1000)、橋長132m、有効幅員6mで計画。

 このほか、JR内房線を跨ぐ横断歩道橋を上部工を鋼鈑桁橋、下部工を重力式橋台及び鋼製橋脚(基礎はPHC杭φ700、φ500)、橋長72・28m、有効幅員横断部2・0m、階段部1・5mで計画。両側にエレベーターも設置する計画だが、今回の詳細設計では対象外。

 塩田町区間は、国道357号蘇我陸橋南交差点から京葉道路沿いの国道16号との交差点まで。07年8月の都市計画変更で構造を掘割式、幅員を38~50mとし、08年度に事業着手したが、13年3月に市が作成した津波ハザードマップで、路線の一部区間が浸水想定エリアとされたことから、緊急輸送道路としての避難や救助、物資輸送等の役割を考慮して嵩上式へ変更。

 これを受けて市は、14年度に道路・橋梁予備設計を帝国コンサルタントへ委託し嵩上式の検討に着手。その後、17年度に道路予備修正設計(29-1)を東和設計、19年度に橋梁予備修正設計(31-1)を帝国コンサルタントに委託。今年3月6日付で、都市計画の変更を決定した。

 都市計画では掘割式部分の延長を350m、幅員を38~50mとしていたが、変更により嵩上式部分の延長を460m、幅員を38~56mとした。この構造形式の変更に伴い、副道橋梁部を適切な縦断勾配(10%以下)とするため、市道浜野町52号線及び市道塩田町28号線との交差点位置を西側へ離すことで、幅員を一部40mから48mに変更。

 また、塩田町20号線との交差部付近において、副道に加えて周回道路を設ける必要が生じたことから、その外側で十分な歩道を確保するため、幅員を一部40mから44mに変更。さらに、国道357号脇の主要地方道千葉鴨川線に合流する副道において、安全性・円滑性の観点から適切な幅員を確保するため、幅員を一部変更した。

 掘割式での計画による同区間の総事業費は177億3400万円(工事費139億9800万円、用地費35億5600万円、その他1億8000万円)。また、用地取得率(18年度末)は約47・3%。市は嵩上式に変更することで事業費を107億円程度に抑えられ、大幅なコストの縮減が期待できるとしている。

橋梁詳細設計位置図

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