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継続か白紙か近く方針 甲斐市のフラワーパーク計画

2020/05/23 山梨建設新聞

 新型コロナウイルスにより甲斐市がフラワーパーク計画を一時凍結したことについて、市幹部が本紙取材に応じ、早急に方向性を出す考えを示した。計画の白紙化については、これまで事業に携わった大勢の協力者への影響が大きいことから、市議会などの意見を聞きながら慎重に検討を進める方針だ。

 市は11日、コロナウイルスの対応に注力するため、県緑化センター跡地(篠原地内)に計画している「フラワーパークアンドミュージアム」の整備計画を一時凍結すると公表。14日の市議会臨時議会で保坂市長は、白紙化も含め検討すると述べた。

 市長の白紙化発言について市幹部は、「議員からの提言を受け市長が答えたもの。市長もそうしたこと(白紙化の可能性)を考えていたのだと思う。コロナがなかなか収まらない中、それに力を入れるべきと考えていた矢先に議員から提言があり、応えたのだろう」と説明。市長の気持ちを推し量った。

 白紙化については「言うのは簡単だが、もしするとなれば(これまで協力してくれた)いろいろな方に迷惑を掛ける。本当に白紙でいいのかも含め総合的に勘案し、近いうちに結論を出さないといけない」と、慎重かつ迅速に判断するとした。

 民間事業者の公募ついて別の幹部は、「予定通り参加があった」ため、順調にプロポーザルの準備を進めていたが、コロナがはやったことで「市も業者も身動きが取れなくなった」と話す。

 今後については「オリンピックが中止になったのと同じで今優先すべきはコロナの施策。しかし、すでに(フラワーパークの)予算が付いていることもある。現在の進捗(公募中)を考えると、市だけで決められることではない」とし、市議会などと話し合い、早急に対応を決めるという。ある市関係者は予算措置に関係する事案でもあることから、6月市議会前の「今月中に方向性を出すだろう」との見方を示した。

 計画は同跡地2・1haに美術館、有料パーク、無料パーク、駐車場を軸とした施設を整備するもの。公設民営方式で実施する計画で、設計・施工に管理・運営を含めた事業期間は約17年間とした。建設費(設計・施工など)の上限は約15億3500万円、維持管理・運営費は14億9500万円に設定。7月に事業者から施設内容の提案を受け、10月に基本協定を結ぶ予定だった。


【写真=フラワーパーク建設地周辺。コロナで計画白紙か】

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