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事業者その他
見出し新型コロナの脅威-応急処置から予防措置へ-  
掲載 2020年5月26日埼玉建設新聞  
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 政府は25日、新型コロナウイルスの感染が沈着したとして、首都圏の緊急事態宣言を解除した。街中では終息の雰囲気が漂いつつあるが、北海道や中国・武漢市のような「第二波」を警戒する声が挙がっている。まさに社会全体が「第一波」の応急処置から、予防策を講じるべき時期に差し掛かっている。これからの時期に欠かせない冷房使用では密閉が生まれやすい。さらに災害時の避難所では密集環境などが課題となる。埼玉県設備設計事務所協会の金子和已会長や建築エコノミストの森山高至氏、県を取材し、懸念される第二波を前に建設業が講じれる予防策を探った。
 猛暑日が続く夏は、あらゆる施設で冷房を使用する。特に休校した学校では夏休み返上の授業が確実で、密閉での冷房使用が避けられない。本格的な夏を前に密閉回避への取り組みが早急に待たれる。金子会長はキーワードとして”空気調和”を挙げ、「全熱交換器による機械換気が最善」と話す。当該設備は航空機の騒音などで窓が開けられない環境に対応でき、防衛省の補助事業になっている。
 さらに「外気を一旦、地下など屋内を通して熱交換してから取り入れる」方法を提案。2~3週間の短工期に加え、省エネであるため、オフィスなどで広く設置されている利点を挙げた。
 森山氏も空気調和の利点に触れ、「室内空気を元に戻す『還気』を減らし、外気を取り入れる『換気』を増やすことが大事」と強調。仮に外気を入れられない場合は「ダクト工事やHEPAフィルター設置が必要になるかもしれない」と述べた。また簡易工事としてガラスや壁への換気扇取り付けなども挙げた。
 夏から秋にかけては台風が襲来する。昨年の台風19号のように、ことしも大規模な避難所開設も考えられる。金子会長は「体育館などの避難所は三密(密閉・密集・密接)の状況になる」と重々しく語り、三密防止には「換気はもちろん、1カ所ごとの収容人数を限定する必要がある」と運用方法を指摘した。
 収容人数を限定すると新たな避難施設が必要となる。金子氏は学校施設が避難所に最適とした上で「空き教室などを使用してみては」と提案。体育館のような保安灯・照明・冷暖房・非常用自家発電を空き教室などに設け、「避難時に最低限生活できる環境を整えなければ」と訴えた。
 予防策について、県は「災害時の避難所開設は”待ったなし”なので、取り組むべき課題だと認識しているが、現時点では検討に至っていない」と明かす。前出2氏が挙げた空気調和の手法に関しては「調査事項があるが、運用次第で可能かもしれない」と話す。また「行政だけでは厳しい。民間と話し合いながら対策を練る必要がある」と述べた。
 公民連携は今こそ発揮されるべきだ。金子会長も「予防策のアイデアは民間にいくらでもある。行政は検討業務を民間に委託した方がいい」と提案した。森山氏は「空調や内装、間仕切りなど、飛沫感染を防ぐ空間工事の需要が出てくる」と想定。職員自らがビニールを張っている場合が多いが、「地元企業などのプロに発注し、しっかり対応すべき」と話す。
 応急処置から予防策へ--。世間の弛緩した空気とは裏腹に、新型コロナウイルスと対峙(ルビ・たいじ)する建設業と行政は、第二波に備えた次の段階へ移行しなければならない。

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