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栃木県壬生町

壬生町、旭町・星の宮農集排事業、7月から管路布設発注

2020/06/13 日本工業経済新聞(栃木版)

 壬生町は、旭町・星の宮地区農業集落排水事業(壬生甲、藤井)の工事に着手する。事業は20~23年度に管路実施設計と管路布設工事、22、23年度に処理場建設。23年度の最終盤にマンホール中継ポンプ場を配備。総事業費は12億円。23年度に完了し24年度の供用開始を目指す。今年度は延長3280mの管路布設工事(塩化ビニール管φ150㎜)を7、8月から年内にかけて複数工区に分け一般競争と指名競争で発注予定。

 計画では管路総延長9690m、処理場1カ所、マンホール中継ポンプ場5カ所を設置する。地方創生汚水処理施設整備推進交付金で事業費2分の1が補助される。

 処理方式はJARUS型。処理水は下流側で地元土地改良区が管理する藤井地区農業用幹線排水路に放流する。18年度に事業計画策定、19年度に基本・実施設計を県土地改良事業団体連合会(宇都宮市)に委託した。

 塩化ビニール管の布設延長は交付金事業が9240m、単独事業が450m。管路布設費は約6億5000万円、処理場建設費は約2億7000万円、マンホールポンプ場整備は約2300万円と試算。これとは別に測量試験費、補償費、用地取得費を措置する。

 処理場は、ばっ気沈砂槽、し渣濃縮貯留槽、流量調整槽、最初沈殿槽、ばっ気槽、沈殿槽、散水ポンプ槽、消毒槽、放流ポンプ槽を通じ基準値以下の水質に戻す。離脱液ポンプ槽、返送汚泥ポンプ槽、汚泥濃縮槽、汚泥貯留槽に蓄えられた汚泥は搬出処理する。

 テーマは「次の未来へ甦れ 清流ふるさとみぶ再生計画」。16年4月に策定した「町生活排水処理構想」で位置付けた農集排事業7地区のうち、6地区が供用を開始。旭町・星の宮地区で全地区整備が完結する。

 旭町・星の宮地区は町中心部の東雲公園から東進し、東武宇都宮線踏切を渡った国道352号の沿線に広がる下野市境地域。壬生甲は字車塚と字堀込、藤井は字星の宮坪と字芝林が組み込まれる。計画戸数164戸、計画処理人口530人、整備計画面積25・1ha。

 経済性や地形条件、人口減少社会を見据え、効率的で効果的な生活雑排水処理には農集排施設が最適と判断。町内では上田、中泉、藤井、北小林・助谷、恵川、黒川東部の6地区で農集排事業を導入。6地区全体の処理面積は378ha、処理区内人口5295人。

 旭町・星の宮地区では合併処理浄化槽1基の設置工事費と維持管理費、農集排施設に接続する管渠工事費と維持管理費の合計を比較検討。処理人口は少ないながら、計画区域に組み入れた。人口が点在する農業農村地帯の水質環境改善には、農集排事業が有効な生活基盤となる。

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