記事

事業者
国土交通省北首都国道事務所

北首都国道の佐藤眞平(さとう・しんぺい)所長/就任インタビュー

2020/07/22 埼玉建設新聞

東埼玉道路専用部など/職員と議論して課題解決


 4月に就任した北首都国道事務所の佐藤眞平所長は埼玉建設新聞の単独インタビューに応じ、国道4号東埼玉道路専用部と一般部や国道468号圏央道などにおける2020年度主要事業の概要を示した。20年度に新規事業化した東埼玉道路専用部は八潮~松伏間の9・5㎞について予備設計を実施する。仕事への取り組み方は「独断で決めずに、職員と結果に至る過程を共有して課題を解決したい」と語る。

 -事務所の概要と管内の印象については

 佐藤 県内の東部地域を管轄としており、少し前までは環状道路の国道298号外環道と国道468号圏央道の新規整備を担当していました。現在はそれらが概ね完成して国道298号維持管理を行っています。圏央道では東北道から東側部分の4車線化を進めています。最近のメインの事業は県東部を南北につなげる国道4号東埼玉道路です。6月から地元の市や町の首長様の話を聞きまして、期待の大きい事業だと感じています。

 管内の印象では、県内の東部地域は東京が近く、道路は外環道、圏央道、国道16号の整備が概ね完了していますので、ポテンシャルの高い地域であると認識しています。それらの環状道路を活用して、物流施設、工業団地や大型商業施設などが沿線に見られます。ですから、そこを貫く東埼玉道路を「太い幹」として、まだ整備されていない東西方向の県道や市道を含めて地域の発展に寄与していきたいです。非常にやりがいのある事業です。

 -東埼玉道路の概要と20年度の予定は

 佐藤 国道4号東埼玉道路の事業全体は、起点が八潮市の外環道との交差部から終点は今のところ国道16号の春日部市で延長17・6㎞を計画しています。一般部と自動車専用部で構成され、先に一般部を進めておりまして、八潮市側の5・7㎞が開通しています。それと、専用部については20年度に八潮~松伏間の9・5㎞について新規事業化されました。総事業費約2000億円を見込みます。20年度は全区間の予備設計業務を実施します。県東部地域の交通渋滞の緩和や高速道路へのアクセス向上、沿線の開発を支援するとともに、災害時にも機能する規格の高い道路ネットワークの構築を目指します。

 -東埼玉道路一般部については

 佐藤 一般部は延伸事業として吉川市、越谷市、松伏町、春日部市の8・7㎞を整備します。道路設計や用地取得を進めて、大落古利根川橋の下部工や松伏・春日部地区の改良工に着手します。トピックスとしまして、吉川市川藤から松伏町田島までの3・8㎞が25年春ごろに開通となる予定を発表しました。

 -圏央道の4車線化はいかがでしょう

 佐藤 国道468号圏央道の概要は都心から半径40~60㎞の位置に計画されている、総延長約300㎞の環状の高規格幹線道路です。東北道から東側は暫定2車線で開通しており、この区間については財政投融資を活用して、久喜白岡JCTから大栄JCT(東関道)までの92㎞の4車線化を東日本高速道路㈱と常総国道事務所と共に取り組んでいます。当事務所は主に東北道から常磐道までの河川を渡る橋梁整備などを担当しています。県内では20年度に中川の橋梁下部工を推進します。

 -外環道の潮郷橋と三郷放水路橋における耐震補強をお願いします

 佐藤 地震による落橋・倒壊の防止対策として、橋脚補強などを実施します。潮郷橋が橋長239m、幅員14m、三郷放水路橋は橋長221m、幅員10mです。大規模地震の発生時において、放射状の緊急輸送道路を相互に連絡する機能確保を目指します。

 -仕事への取り組み方はいかがでしょうか

 佐藤 個人の力は限られています。職員と一緒に課題を解決したいです。最終的な責任者は私ですが、職員に判断材料をまず提示してもらい、職員と議論して結論を導きたいのです。それにより結果に至る過程が共有でき、ブレが生じません。私一人の独断で決めずに、職員と共に課題を解決したいのです。例えるなら、同じ赤色でも人々の取り方によってオレンジに近い赤もあれば、濃い赤色もあります。個人個人の取り方が違いますので、そういった過程を共有するのが大切と考えます。

【略歴】 1988年建設省入省。東京国道事務所計画課長、関東整備局企画部広域計画課課長補佐、東京外かく環状道路事務所副所長などを経て、4月より現職。東京都出身、56歳。趣味はゴルフ、料理(つまみ作り)、ガーデニング。特にガーデニングはこの時期は「あじさい」で、これからは「ひまわり」に取り組むそうだ。

佐藤所長

紙媒体での情報収集をご希望の方は
建設新聞を御覧ください。

建設新聞はこちら