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栃木県日光土木事務所

日光土木、川俣温泉川治線若間工区、トンネル来年度末発注目指す、西側坑口の道路改良工に着手

2020/07/23 日本工業経済新聞(栃木版)

 県日光土木事務所は、トンネル新設を含むバイパスを整備する主要地方道川俣温泉川治線若間工区(日光市)の道路改良工事を今年度後半にも発注する。トンネルの延長は約930mで西側から掘削。道路改良工事ではトンネル西側坑口付近の山を切土し、トンネルの作業ヤードを確保する。標準幅員は一般部8m、トンネル部7m。トンネル本体建設工事は2021年度末頃の発注を目指して準備を進めていく。総事業費は約41億円。

 若間工区の事業区間は東端を上八重沢橋付近、西端を既設のロックシェッド付近とし、延長は約2500m。現道は1級河川鬼怒川左岸に沿ったルート。区間中央部で北側にトンネルを築造してバイパスを整備する。

 計画交通量は1日1000台(30年)、道路区分は第3種第4級。幅員構成は一般部が車線2・75m×2、路肩1・25m×2。トンネル部は車線2・75m×2、路肩0・75m×2。トンネル部はコンクリート舗装とし、両側に0・75mの監査廊を設ける計画。

 川俣温泉川治線は国道121号から分岐し、川俣温泉に至る山間部の観光周遊ルートで、地域生活や地場産業を担う唯一の道路。現道区間は最小幅員が3・3mと狭隘で急カーブも22カ所と多い。観光バスはもとより普通車のすれ違いも困難な状況。落石など防災危険個所も多く、12年には土砂崩れによる通行止めで西側の集落が孤立した。

 このため県は集落の孤立防止、安全で円滑な通行確保を図るため現道拡幅とトンネル新設による道路整備を計画。16年度に事業に着手し、設計や自然環境への影響調査など工事実施に向けた準備を進めてきた。トンネル詳細設計は建設技術研究所(東京都)が担当した。

 15年度に実施した事業事前評価によると、総事業費の内訳は測量設計費約2億円、用地補償費約5000万円、工事費約38億5000万円。

 2車線化とトンネルの整備によって落石の危険が解消され、積雪がある冬期を含め走行性や安全性が向上。ライフラインの確保、観光の振興にも効果が期待される。

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