潮来市は、道の駅「いたこ」と水郷いたこバスターミナルを結ぶ県道潮来佐原線(約1㎞)で、5G技術を活用した自動運転サービスを目指し社会実装に取り組む。このほど内閣府の未来技術社会実装事業と連携した自動運転サービス導入支援事業に選定された。今後は国県や民間などと協議会を立ち上げ、自動運転サービスの内容や時期などを探っていく。
具体的には潮来佐原線の側道として市が管理している農道(約6m)を自動運転を行う道路として活用し、自動運転サービスに必要な機能や課題を探る。
信号無し交差点における自動運転車の走行空間への他の交通が誤って侵入することを防止する対策を検証。遮断器、ライジングボラード(車の進入を防ぐため道路中央に設置する自動で昇降するポール)を使用した場合の効果を検証する。
また交差する道路の遮断タイミングなどの交差処理の実効性、自転車など他の交通手段との錯綜の有無なども検証する。
自動運転の社会実装に向けて市では、国や県、民間事業者による協議会を立ち上げ、社会実装の内容や時期などを詰めていく。県道の両側は水田地帯となっており、実施時期については冬場の一定期間が想定できるという。
潮来市は東関東自動車道潮来ICを利用した高速バスの運行で市外への移動手段は確保されているが、市内の拠点間を結ぶ公共交通は少なく、主に自家用車での移動となっている。
市内の拠点である水郷潮来バスターミナルと道の駅「いたこ」は約1㎞の距離にあるものの、連携が弱い。そこで両拠点を結んでいる潮来佐原線を活用した自動運転サービスを目指し、具体化への検証を行う社会実装を計画した。
バスターミナルという交通結節点と道の駅という地域交流拠点を結ぶ移動手段の確保により、交通弱者の移動が容易となる交通網を整える。
なお水郷潮来バスターミナルは慢性的な満車状態が続いているため、19年度から3カ年計画で駐車場拡張や待合所の建て替え、バスレーンなどの整備を進めている。本年度は再整備詳細設計をセントラルコンサルタント㈱(東京都)へ委託したほか、待合所整備工事(既設待合所解体工1式、待合所新築工事1式)を今後発注の予定。
【図=自動運転サービス事業位置図】